Updated on 2001-07-13
(2003-08-15) CanopOn の改訂版,CanopOn 2 を作製しました.
CanopOn 2 では,JPEG画像の読み込み,画像の縮小が可能です.
操作性も改善しました. |
まず,解析する画像ファイルを用意しておく. 画像は画角180度で等距離射影方式(円の中心からの距離が天頂角に比例)方式の レンズで撮影したものに限る. また,読めるのはビットマップファイルのみ(JPEGも読めるようにしたいのですが, プログラム開発に使っているライブラリがJPEGに対応してないもので...). また,画面のカラーモードが16 bits/pix (65536色)以下に設定されている場合には, 24 bits/pixのファイルは処理できない. 必要に応じてグラフィック関係のツールなどで画像の形式,大きさ,色モードなどを 変換しておく.
(※ 私は,JPG, BMPファイルを読み込んで,1/2, 1/4, 1/8に縮小し, JPGないしは BMP形式で保存できるフリーソフト Didgeridoo を使わせてもらってます.デジカメから読み込んだJPG画像を縮小して BMP形式で保存します.そのほか,同じくフリーの BTJ32 もよさそうです.こちらは多数の画像ファイルの一括変換ができ,色数の変更 もできます).
Canopon.exeを実行し,[File]メニュー →[open]で画像ファイルを読み込む.
画像の読み込みに成功すると,画像イメージに重ねて,
地平線に対応する円が表示される.
[Grid]メニュー→[Show Grid]で,地平線だけでなくクモの巣状の丸い格子 を表示されることができる.格子は,地平線から上の空を360の等立体角に 分割している (つまり,各区画の立体角は 2π/360 ステラジアン).
地平線内の適当なところにカーソルを置いてドラッグすると,全体の位置を平行移動することができる.
マウスのカーソルを右横の矢印の上に置いて, 左ボタンを押しながら右横の矢印を左右にドラッグすると, 地平線のサイズが変わる.
写真中に真北や真南を示す目印を写しこんである場合は, 方位矢印をこれに合わせる.サイズの調節と同様,マウスのカーソルを 矢印の上に置いて,左ボタンを押しながらドラッグすれば矢印を動かすことができる. 方位矢印を北に合わせるか南に合わせるかは, [Grid]メニュー中の[North Handle]と[South Handle]で切り替える.
なお,CanopOnは磁北(磁石が示す北)と真の北との差は考慮していないので, 目印を写しこむときにこのずれを考慮するか,北向き矢印を磁北のずれの分だけ 目印からずらしたところに持ってくる,などして対応する必要がある.
マウスのカーソルが円形格子内にある状態で右クリックすると,カーソルが ある場所の天頂角と方位角が表示される.方位角は,真南が0度で,東回りが 正の方向,西回りが負の方向.したがって,真東の方位角は90度, 真西は-90度ととなる. また,天頂角は,天頂方向(真上)で0度,地平線で90度.
メニューの[B/W Image]と[Originai Image]で,白黒2値化したイメージと,
オリジナルのイメージを切り替えられる.
白黒2値イメージの表示中は,[Exposure]で表示される明暗設定ボックスで,
白黒の判断基準を変えられる.
白黒イメージとカラーイメージとを交互に表示させながら,適当な白黒判断
基準を探すとよい.
また,各色要素の明るさの,相対的な貢献度も変えられる.
暗めの青空が空と判定されるように,青の貢献度だけ大きくする,
といった使い方ができるだろう.
白黒2値イメージ表示中には,[File]メニュー→[Mean Openness] で,現在の設定での平均空隙率を表示させることができる. また,UOC(Uniform Overcast Sky,全天が均一に明るい)を仮定した場合, およびSOC (Standart Overcast Sky, 天頂は地平線近くの3倍明るい)を仮定 した場合について,平面上で測定したときの平均透過率(Diffuse Site Factor) も表示する.
また,この計算結果をクリップボードにコピーすることもできるので,
他にテキストファイルを開いておいて結果を書きためていくのに利用できる.
[File]メニュー→[Save Openness]で,各小区画ごとの空隙率を ファイルに書き出す.以下に,作成されるファイルの例を示す.
360 DIR // ← 360 は区画数,次のDIRは気にしないでください. 4.28 45 42.95 // ← 区画の中心の天頂角,方位角,区画内の空隙率(%) 4.28 135 7.52 4.28 -134.99 74.49 4.28 -44.99 76.31 12.29 18 23.02 12.29 54 44.7 12.29 90 10.23 12.29 126 12.81 ..................... 85.84 -31.14 23.56 85.84 -24.22 7.42 85.84 -17.3 2.87 85.84 -10.37 5.61 85.84 -3.45 41.67 |
せっかく地平線の位置を設定したり,適当な白黒判断基準を決めても, その情報が何も残らないのはもったいない.CanopOnでは,2通りの 方法で,これらの情報を残すことができる.
[Horizon]メニュー→[Save Info]で,表示中のビットマップファイルの隅っこ (終わりの21バイトを使っている)に,地平線の位置や方位の情報,白黒判断基準 情報を書き込むことができる.この情報は,[Horizon]→[Load Info]で読み出す ことができる.情報を書き込んでないファイルから情報を読み込もうとしても 何も起こらない.
また,[File]メニュー →[Save BW Image]で,現在の白黒判断基準で
作成した白黒イメージ上に,現在の地平線の接線と方位矢印だけを描
いたビットマイプファイルを作成することができる.
[File]メニュー →[Sun...]で,太陽情報設定ダイアログが表示される.
月,日,緯度(北緯はプラス,南緯はマイナス)を設定して, [Draw]ボタンをクリックすると,太陽の軌跡が 表示される.画面はオリジナル画像表示中でも,白黒二値化画像表示中でもよい. どちらを表示中でも,白黒二値化画像表示上で白点になっている場所の軌跡は赤, 黒点になっている場所の軌跡は黄色で描かれる. あわせて,画面左上に,太陽光の透過時間と日長が分単位で表示される.
なお,太陽の軌跡は,(地平線を動かすなどして)画面の書き換えが行われる時
に消去される.消去されないようにしながら,何本もの軌跡を重ねて描いていくこ
ともできる.
一定時間間隔(ダイアログボックスで設定可)ごとの太陽の位置と透過の有無を 書き込んだテキストファイルを作成できる. 太陽情報設定ダイアログボックスで[Save]のボタンをクリックすると, 作成するファイル名の入力ダイアログボックスが表示される.
すでに存在するファイルを指定すると上書きするかどうか聞いてくる. 「上書きする」を選択すると,実際には上書きせず,現存ファイルの 後ろに追加される.
以下に,作成されるファイルの例を示す.
35.5 6 14 // 緯度,月,日 4 50 118.7 89.6 0 // 時 分 方位角 天頂角 透過 4 55 118 88.7 0 5 0 117.3 87.8 0 5 5 116.6 86.8 0 5 10 115.9 85.9 0 5 15 115.2 85 0 5 20 114.5 84.1 0 5 25 113.8 83.2 0 5 30 113.1 82.2 0 5 35 112.5 81.3 0 5 40 111.8 80.4 1 5 45 111.1 79.4 1 5 50 110.5 78.5 1 5 55 109.8 77.5 1 6 0 109.2 76.5 1 6 5 108.5 75.6 0 ........ 18 55 -116.7 87.2 0 19 0 -117.4 88.1 0 19 5 -118.2 89 0 19 10 -118.9 89.9 0 |
方位角,天頂角は太陽の方向を示す.方位角は東が90度,南が0度,西が-90度. 天頂角は太陽が天頂にあるときに0度,地平線上にあるときに90度. 透過は,1ならば太陽の直射光が透過する, 0ならば透過せずに遮られることを示す. 時刻は,太陽の南中時を正午として計算されている.