全天写真解析プログラム CanopOn 2Updated on 2009-02-27 |
※(2021-08-29)補足情報のページに、RICOH THETA シリーズのカメラの 利用方法について加筆しました。現時点では、これが一番手軽に画角180度の全天写真を撮る方法のようです。
CanopOn 2 は,Windows 上で動作する全天写真解析システムです. 魚眼レンズを使って撮影した全天写真(画角180度)の画像イメージを読み込んで解析します (>サンプルイメージ).
機能は以下の4つです.上層の障害物の光透過性を,空の光の分布や,太陽の位置,光を受ける側の3次元構造などと どのように組み合わせて,どう解析し,何を求めるかは,利用者の問題設定によります. いろいろな仮定にもとづいて何らかの「答え」を計算してしまう便利なプログラムは, 自分の頭で解析法を考えたい場合にはかえって不便です. そこで,あえて機能を絞った生データ抽出システムとしました.
※ 学生実習で CanopOn を利用していただいた大学教員の方から, 単純な機能しか持たないシステムだと, 使いはじめの障壁が低くてよいとの声をいただきました. 低機能であることに思わぬメリットがあることを知りました.
平均空隙率や,日照時間の合計を知りたいだけなら,いちいちファイルを作製 する必要はありません. より詳しい解析のためには,空隙率ファイルや直射光透過パターンファイルを作製し, 表計算ソフトに読み込んだり,自作プログラムで処理するなどしてください. 植物生態学,林学,農学などの分野での利用のほか, 建造物に囲まれた場所の日照パターンを調べるのにも使えるでしょう.
魚眼レンズには,いくつかの射影方式があります.CanopOn2 は, Ver2.02 までは 等距離射影方式(円の中心からの距離が天頂角に比例)にのみ対応していましたが, Ver2.03 から,等立体角射影(画像上の面積が立体角に比例)および 正射影 (半球上のイメージを平面に垂直に下ろす影)にも対応しました. お使いのレンズの方式を確認のうえ,正しい設定で解析してください. (参考: ニッコール千夜一夜物語:第六夜 )
CanopOn2 最新版の動作確認は MS Windows XP professional で行っていますが, その他の Windows 系 OS でも動作すると思われます. システム開発は,当初は Borland 社が無料で提供していた Delphi 6 Personal 版で行いました. 最新版は Borland Developer Studio 2006 でコンパイルされています.
CanopOn 2 の著作権は竹中明夫にありますが,ご自由にお使いください. ただし解析結果の正当性や,実行・利用の結果生じた障害等に対し, 私はいっさいの責任を負いません.
CanopOn 2 を利用した研究の成果を論文・報告書などに書いた場合には, CanopOn 2 を利用したことと, URL (http://takenaka-akio.org/etc/canopon2/) とを記載してください.
この名前に由来というほどのものはありません. Canopy Openness を調べるシステムなので, そこから適当に字を抜き出して CanopOn です. 発音は 「キャノポン」で,「キャ」にアクセントがあります.
使ってみての感想やバグレポートなどをお寄せいただけると嬉しいです. ひとこと「使ったよ」というだけのメールでも,ずいぶん励まされるでしょう. 連絡先はトップページをご覧ください.
RICOH THETA シリーズのカメラの利用方法を掲載 (2021-08-29)
CanopOn 2.03b → CanopOn 2.03c へバージョンアップ (2009-02-27)
CanopOn 2.03 → CanopOn 2.03b へバージョンアップ (バグ修正) (2009-02-03)