Updated on 2000-06-01
ある人からの依頼で、木の3次元の分枝構造ができる様子をシミュレートする プログラムを作成しました。末端の枝が子枝を2本作り、それらの子枝がさら にその子枝を2本作り、という単純なプロセスの繰り返しでいかにも木らしい 構造ができていきます。親枝と子枝の長さや方向の関係を決めるいくつかの パラメータを操作することで、さまざまな形ができあがります。 このモデルのオリジナルは、1971年の本多久夫さんのモデル(※)です。
※Honda, H. (1971) Description of the form of trees by the parameters of the tree-like body: effects of the branching angle and the branch length on the shape of the tree-like body. J. Theor. Biol., 31:331-338.
私が以前に作った、枝ごとの光環境に応じて挙動が変わるモデル(Takenaka, 1994など)のコードを生かして、わりと短時間でどうにか動くものができま した。言語はC++、処理系はBorland C/C++ 5.0、GUIのライブラリはOWLです。
下の画像はシミュレーションの例です。枝の先のやや色が違うところは、 一番最近の分枝によって作られた、いわば当年枝の部分です。
分枝ルールの設定ダイアログボックスでパラメータの値をいろいろ変えて、 さまざまな樹形を作って遊べます。上から見たり斜めから見たり、回転させ たり、拡大・縮小したり、枝の色を変えてみたり、なども自由にできます。 (下の絵はただの絵です。パラメータをいじったり成長させたりはできません)
パラメータを変えるとどんな絵がかけるかという例をいくつか載せておきます.
STViewは、Windows(95, 98, NT4.0)で動作するプログラムです。使い方を説明 した文書ファイルや分枝ルールの設定ファイルの例などとあわせて、自動解凍 ファイルにしたものをダウンロードできるようにしました。適当なフォルダを 作って、その中にダウンロードしたファイルを入れて実行すると、そのフォル ダ内にファイルが展開されます。
STViewのダウンロード(224kB. 解凍時、約500kB)