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シンポジウム


日本生態学会第47回大会総会(2000年 3月 25日)で議決された 大会の持ちかたについての議論の提案 では,シンポジウムの充実が提案されています.

つくば大会では,50周年記念事業委員会の主導で全体シンポを中心にした 日程構成となりました.これに加えて,最大12件までのシンポジウム企画を 募集したところ,11件の応募があり,すべてを実施しました. この企画シンポでは,企画責任者が演者を選びます.演者の公募はしませんでした. (49回大会では演者を公募するシンポも行われましたが,なかなか苦労が あったようです.このページ末尾の資料参照).

シンポジウムを重視した日程に関しては,人により,立場により,さまざまな意見が あるようです.勉強になっておもしろいという肯定的な意見があるいっぽうで, シンポジウムのために一般講演が圧迫されるのはいかがなものか, いつも同じような人が出てきて同じような話をする, シンポジウムを持てるほどの研究者人口のある分野ばかりがますます目立つことになるなど, 懐疑的な声もあるようです. こうした問題は,全国大会検討委員会の場で議論されていくべきことでしょう.

なお,限りある時間とスペースを分け合って使うという趣旨から,企画シンポの 演者は一般講演を行うことができないとしました. この方針は,ゆとりあるポスター発表会場を確保するうえで有効でした. なお,このような趣旨をはっきり事前に説明しなかったため, どうしてシンポ講演者はポスター発表ができないのか問い合わせが一件あり, あとからシンポ企画者に以下のように連絡しました. 後手に回ってしまったのは反省点です.

ポスター発表との重複

シンポジウムの演者はポスター発表はできません. これは限られた時間とスペースを皆で分け合って使うためとご理解ください. なお,コメンテータを設定されているシンポジウムもあるようですが, そのコメントが「コメンテータの研究発表」とならない範囲のもので あれば, コメンテータのポスター発表はさまたげません.

コメンテータ本人の研究成果を10分かけて紹介したらそれは 「研究発表」だろうというのが実行委員会の見解です. 個別の判断は企 画責任者の良識にお任せします.


参考:2002年の49回大会のケース

2002年の東北大会の際は,企画者がすべての演者を決める企画シンポと, 提示されたシンポ企画をみて,講演希望者が手を上げる公募シンポの2とおりの シンポジウムが行われました. 1年前の大会時に企画募集の案内を配り,5月に締め切り,シンポ企画の取捨選択を したのち,和文誌掲載の第2回大会案内のなかで,公募シンポでの応援希望を募りました.

以下は,その時の担当者のメモです.

5月 シンポジウム申込締め切り。企画シンポは12、公募シンポは5。締め切り後にもいくつか (3つ?)届く。和文誌原稿の締切が近いため組織委員会は開催せず、シンポ担当者だけで議論。 企画シンポは数が多いため一部を公募シンポに、一部を却下。選考基準はテーマの一般性などを考慮。 公募シンポはそれでも本数が足りないため、全体のバランスを考慮して企画者を探した。

12月 講演受付締切(5日)。公募シンポ申込内容をシンポ企画者に送付し、選定してもらった。

企画シンポジウムは予定数を大幅に上回る申込があったのに対し、公募シンポジウムは、 シンポジウムの申込が少なかった。公募シンポジウムへの講演申込は、いくつかのシンポジウムで 定員割れを起こし、急遽主催者が知り合いに声をかけて発表者を募ったものがあったのに対し、 定員オーバーで一般講演にまわってもらったものもあった。全体としてみると、申込数は概ね 妥当ではなかったかと思われる。

運営側としては公募シンポジウムのような予想が難しい企画には相応の苦労が伴うことを 覚悟したほうがよい。今回最も大きな苦労は、企画者が出張のため連絡がとれなくなって しまったことが多々あることであった。シンポジウムの決定や、公募シンポジウムの 講演者決定にはもう少し時間的余裕をもったスケジュール設定をするべきであった。


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