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2001年9月
2001-09-28
数日前に生態学会の関東地区会報が届きました.
こんどの号は,「生物多様性の意義と価値」という公開シンポジウムの
内容をまとめたものです.ひととおり読んでみました.
ある講演の中で,"科学自体は方法論であって価値判断とは中立だ,
保全生物学者が自然を保全せよと言うとき,それは科学に依るのではなく
科学者個人の価値判断に依るのだ"という主張がありました
(森林総研・平川さん※).
これに対して,"生態学を含む生物学は生物が暮らす自然がなかったら
成り立たない,科学が自然の存否とは中立だなんて論理の遊びだ"
という反論もありました.
いまいち噛み合ってない議論のような気もしますが,私は前者の主張に賛成です.
科学の成果をもとに,人々(科学者も含めて)
がそれぞれの価値基準にもとづいて判断をするのでしょう.
時として科学者に「進むべき道を示せ」と迫るような発言も目にしますが,
科学者は地図を示し,その地図のなかから進む道を選択するのは
世の中の人々じゃないのかな,と思います.科学者は自分のお薦めの道を
どんどん提案してよいけれど,勝手に道を決めちゃいけません.
※平川さんが
生物多様性の保全について書かれた文章
がPDFファイルの形で公開されています.
2001-09-21
調査フィールドのページに,
最近行きはじめた苫小牧研究林を加えました.
2001-09-17
1986年に伊藤嘉昭さんが書かれた「大学院生・卒研生のための研究法雑稿」
(生物科学 38:154-159)には,発生生物学者の白上謙一さんの文章を引きながら
研究法についてのアドバイスがいろいろ書かれています.このなかに,
「若い友人こそが教師である,友人を求めて旅をせよ」という項があります.
「どんな忙しいときでも論文を見て意見を書いてくれる友を博士課程に入るまでに
3〜4人は持つことが,将来を決めることになろう」と論じています.
このところ,書いた草稿を人に見ていただいたり,人が書いた原稿を見せて
いただいたりが続いていますが,どちらもありがたいことだと思いつつ,上の
文章を思い出しました.
いまさらですが,ページのところどころに残っていたGIFファイルを撲滅して,
画像ファイルはすべてJPGかPNGにしました.
(※GIFを使わない理由については
Let's PNG!
や
GIFとLZW圧縮伸長法の特許について
などをご覧ください.)
2001-09-11
リンク集の
生態学研究者のページのセクション
に,大阪大学の植物生態生理研究室のページを加えました.
研究室のメンバーの研究内容が丁寧に紹介されています.
2001-09-04
とってきたホオノキの葉っぱと枝の大きさを測定してから乾燥中です.
小は長さ10 cmから大は50 cmまでの葉をいじりながら,大きな葉は
しっかりした葉脈で支えられていることを実感しました.
乾燥機の操作を誤って葉の一部を焦がし,
朴葉焼きの香りをあたりに漂わせました.
あすから来週月曜日まで6日間の夏休みです.
2001-09-03
苫小牧5泊6日の旅から帰ってきました.着いた日の夕方に下見をして,
帰る日の朝にも測定をするという,たいへん効率のよい日程でした.
行って帰るまで2週間でそのうち実働4日なんて感じだったシベリア調査とは
えらい違いです.
毎日ひたすら脚立の上でホオノキの枝の長さだの葉の大きさだのを測って
きました.測りながら大小の疑問や仮説が頭に浮かび,一種の充電ができた
ようです.
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