庭の畑では,スナップエンドウやソラマメが最盛期を迎えた. 追い立てられるように収穫し,食べている.食べ飽きるころに収穫は終わる. 来年の春にはまたソラマメの季節がめぐってきたことを喜ぶ. 自分で育てると,旬というものを実感できる.
自然に生える木や草を取りのぞいて,ソラマメやナスやタマネギを植えたらそこは畑だ. 人間の役に立つ木をまとめて植えた植林地も一種の畑だろう. 日本の面積の12%は「スギ畑」,7% は「ヒノキ畑」だ. 畑にタネを播きっぱなしで間引きや除草をしなかったらよい野菜はできない. 植林地も苗を植えっぱなしで手入れをしなかったらよい材木はとれない. 「手入れをしないと森が荒れる」というときの森は,人間が作ったもの. 自然の森は,木の種類は変わりつつも,2〜3億年にわたって続いてきた. 人間が管理しないと壊れてしまうようなものではない. 植林地といっしょにすると話が混乱する.
きょうは久しぶりに写真なし.
庭の植物が気になって,毎朝なかなか出勤できない. 玄関から出たところで,ついつい歩き回って眺めてしまう. 今朝は,きのうまで閉じていたソヨゴのつぼみが開いていた (写真). アリが集まっている (写真). 甘い蜜があるのだろう. こんな小さくて地味な花をよく見つけてくるもんだ. アリを体長500倍にするとほぼ人間サイズになるとすると, 高さ1.5メートルで咲いているソヨゴは, 人間から見ると地上750メートルの, 東京タワーの2倍以上の高さに直径2メートルほどの花をつけていることになる. 匂いに呼ばれるのだろうけど,上から漂ってくる匂いをたよりに, よく正しい木を見つけるものだ.あちこち登ってみて本丸をさがすのか.
来年3月の,生態学会福岡大会の大会案内を ウェブ上で公開. 今回はだいぶ 趣向を変えることになり,まずは大会シンポのテーマ募集をする. シンポ企画提案フォーム も開設.
庭のヤマボウシが花(正確には小さな花が集まった花序)をひとつつけた. その白い苞(ほう)の上にハナグモがいた (写真). 体が白と緑だから,じっとしていると目立たない.こうやって待ち伏せしているのだろう. しばらく時間がたってもう一度見たら,獲物をつかまえていた (写真).
3週間ほど前に花ざかりだった アスパラガスは, 今は実をつけている(写真).昨日,職場の本棚の整理をした.生態学関係の本が多い. 専門だからあたりまえだけど,なんか懐かしい. 生態学っておもしろいよな,とあらためて思う. なのに,今の日常はなんだ. さいわい,生態学はお金や設備がなくてもできることはいろいろある. いっそ仕事やめるかなあ,と真剣に思った. 3年10ケ月後,今の任期が終わったところで管理職をやめさせてもらえなかったら ほんとに退職するだろうけど,それまでもつだろうか…… このところ気持ちが後ろ向きだ.
ある〆切はクリアーし,またある〆切は蹴倒して踏み越え, 自分の研究とは関係ない書類書きに勤しむ日々.
家の庭で アオハダの花 が咲いている. ひとつの花の直径が数ミリ.なんとも地味だ.まったく媚びたところがない. モチノキ科は,アオハダだけじゃなくてみんな花が地味. アオハダは雄株,雌株があるらしい. 写真の花には雄しべも一応ついているけど,しっかりとした雌しべがあるのでこの木は雌株か. だれかが花粉を運んできてくれたら実がなるのだろうが, こんな花をだれがどうやって見つけるのだろう. 特に匂いもしないし(少なくとも私は感じない).
汗をかきながらの土仕事を終えて縁台に座って庭を眺めるときの達成感とビールのうまさと, 冷や汗をかきながらの書類作りを終えて添付ファイルで送ったあとの達成感とビールのうまさ. 前者のほうが圧倒的にまさっている.
よい天気の日曜日.淡々と管理職業務を進める.
職場の敷地内の芝生では, ブタナ や ニワゼキショウ が咲いている. ブタナはヨーロッパ原産,ニワゼキショウは北アメリカ原産の外来種. ブタナ属の学名については, こんな歴史があるそうな.リンネが最初に付けたとき, おそらくはスペルを間違えて書いたものを公表してしまったが, 命名規約上はこれが正式名称となる. あとから勝手に直してしまった名前が(特に日本で)流布している現状はよろしくない, という話.
きのうの勉強会では一日頭をひねって,おおいに消耗したけど収穫も大きかった. その場での議論も有益だったが,何も分からないとみっともないので 直前に詰め込み勉強をするのもこういう集まりのご利益だ. 次に必要なのは実習.技術は自分で使わないと身につかない.あたりまえだけど.
週末には集中して管理職業務をひとつ処理する予定だが,なかなか気分が乗らず. 今日の午前中はときどき雨にふられながら庭仕事をする. 雨具を着て帽子をかぶれば,雨はとくに気にならない. フェンスにからんでいる スイカズラ が咲きはじめた. 花びらの先の紅が上品.
若人もすなるべいずといふものを、われもしてみむとてするなり. というわけで,きょうは若い人たち数人とベイズのミニ勉強会. なかなか理解が追いつかない私に,みなさんが懇切丁寧に解説してくださる集まり(だといいな).
今朝の職場構内での写真. オオジシバリは,だらけた感じがなくてよろしい. ベニバナハコネウツギはハコネウツギの品種. ハコネウツギは最初は白い花が次第に赤くなるが, この品種は最初から赤い.ずっと白いままのシロバナハコネウツギというのもあるらしい. 色素形成の制御の変異.
先週,通勤途中で見かけたアカシデの果穂. 涼しげでおしゃれだ.
国内のとある方が,論文のなかで私の全天写真解析プログラム CanopOn2 を引用されている. それを見た海外の研究者から,CanopOn2 を試してみたいんだけど 英語のマニュアルが見当たらないぞ,との問い合わせが著者にあり, 私に回ってきた.すみません,英語マニュアル作ってません. カーソルをボタンの上に持っていくと 表示されるヒントボックスを英語で書いて足してから,ごくごく簡単な説明を メールで送る.こういう要望は以前にもいただいた. 当面の〆切業務が終わったら英語マニュアル作るか.
庭の植物を毎日ながめているといろいろ発見がある. そういえば,だいぶ昔のこと,私からみて3世代ぐらい上の研究者が, 調査するときにフィールドに行くようじゃだめだ, いつもフィールドにいて,研究室に用があるときだけ戻ってこいなどと言っていた. かなり無茶ではあるが,年に一度,2週間だけの調査で見えることは限られているのも確かだ.
畑の 二十日大根 はたいへん調子がよろしい.
矢原さんから, きのうの「様子」のまちがい指摘メールをいただく. アマドコロがアスパラガス目のハナイカダ科と書いたのはナギイカダ科のまちがい. 頭ではナギイカダと思いながら,手がハナイカダと打ってしまったようだ. 最近,家の庭にハナイカダを植えたのが潜在意識にあったのか. ナギイカダ科ではなくスズラン科という呼び方もあるとご教示いただいた.
ところで,家の畑のアスパラガスは,そこそこ収穫したあとは伸びるに任せている. 種からはじめて3年めのシーズン.人の背を越え,2.5メートルほどにまで伸びた. 繁っている様子 は,何がなんだかよく分からない. 近寄ってよく見ると,長さ数ミリの 小さな花がたくさん咲いている.
会議のあいまに,ベイズ統計の勉強も少しずつ. 本だの論文だのネット上の情報だのを毎日眺めていると, なんとなく式も見慣れたものになってくる. あっちでは飛ばしてるところがこっちでは丁寧に書いてあったり. そういうものが頭に蓄積していくと,ある時すとんと全体が納得できるだろうと 期待している.
職場のアカマツ林の林床では,群生しているアマドコロが花盛り(
群落と
花のアップ).
もともとアマドコロ属はユリ科に分類されていたが,
分子系統にもとづく新しい分類体系だと,
アスパラガス目のハナイカダ科ナギイカダ科(あるいはスズラン科とも.
Thanks to
矢原さん).
この科には,ほかにドラセラやマイヅルソウ属など.
連休後半は畑仕事,ときどき勉強.
畝を立てて,ナス,トウガラシ(伏見甘長),調理用トマト,カブ,コールラビ, サトイモの苗を植えつける.昨年の初冬に植えたスナップエンドウは実ができはじめた. ソラマメも順調.紫タマネギは太りはじめた.こんな日々が終わり,仕事に戻る. 今週は月曜から金曜まで会議等で埋まっている.
庭や畑をながめていると,日々の天気が気になる.土曜日はよく晴れて風が強い日だった. そんななかで,細い茎に薄っぺらな葉をたくさんつけた植物が乾いて枯れもせずに生きていることに あらためて感心する.水から地上に上がって以来,5億年の進化の歴史はだてじゃない.
連休3日間,ひたすら庭仕事をしていた. 庭木を移植したり,新しく買ってきた植木を植えたり,踏み石を埋め込んだり, レンガで囲って花壇を作ったり,うちに接している管理放棄地の草刈りをしたり. 連休後半は畑仕事が待っている. そんな日々のあいまの出勤日.これはこれで非日常的な感じがする. 小学校のころの夏休みの登校日のようだ.
管理職の任期はあと3年11ケ月を切った. その先に待っている,自分の研究をすればよい日々を想像したら, なんだか目頭が熱くなってしまった.
職場の林の中では ジュウニヒトエ が咲いている.