午前中は家の片づけ. 午後は職場で,学会の講演要旨のウェブ版を自動生成するプログラムを書く. これで,来年1月8日の午後5時に登録を締め切ってからただちに 千数百件の要旨を公開できる.
やはりやり残し仕事をかかえての年越しになってしまった. 年明け早々に締め切りの原稿もあるし. でもまあなんとかなるだろう. 先の心配をするよりは,無事に一年を過ごせたことを喜ぶことにしよう.
生態学会の大会プログラムのPDF版を 大会ページ 上で公開. 紙に手書きで参加や講演の申し込みを書いて郵送していたのは そう遠い昔のことではない.ずいぶん変わったものだ.
きのうは, 種々の打ち合わせだの会議だのが終わったあとの夕方, 生態学会の要旨登録をお忘れなくというメール 1326通を送信. 講演タイトルが日本語の場合は日本語メール,英語の場合は英語メールを送るように したつもりだったが,その判別にミスが混入して,英語を送るべき人あてに 日本語を送ってしまったものがあった.すみません. subject中の reminder の文字と,本文中の URL から察していただければ幸いです (と日本語で謝っても意味ないけど).
生態学会会長の 菊沢さんのメッセージは,とぼけたようでいて鋭かったり, なかなか味わいがあったが 今回で最終回とのこと.残念です. 場を変えてでも,何か書き続けていただけるとうれしいのですが.
朝,家の外に温度計を出してみたら,-6 度を指した. 庭の植物にはしっかりと霜が降りている.白く縁取られた葉が美しい (写真).
組織の中の立場上,知ったかぶりが必要なことはままある. ただ,それは組織のなかに向かってのこと. 社会に向かって専門家の見解を述べるという場面なら, 世の中の研究者全体から適任者を選んでお願いしないといけないだろう. というわけで取材をひとつお断りする. 別段さぼりたくて断ったわけではない. 研究者としての最低限の良心とでもいいますか.
どんな問題でも日本中を見回せばどこかに専門家がいるということが,文化の厚みだ. せっかくの厚みは活かさないともったいないし, そういう厚みを持ち続けることはひとつの豊かさだろう. 日本語で書かれた,ものすごいマイナーな言語の入門書を見たときなど,ほんとにそう思う.
私が公開している全天写真解析プログラム CanopOn2 を使っているというメールを,続けて二人のかたからいただいた. いずれも卒論の研究でお使いとのこと.活用されるとうれしい.
環境の変動と生物の分布限界の動きについてふと思いついたアイデアを, プログラムを書いてシミュレーション計算をして確かめてみた. Perl で計算,R でグラフ描き.グラフを眺めて見えてきたことは 計算するまでもなく思いつけるはずのことだが, 私の思考力ではまず計算してみないと思いが至らない. プログラムを書くのは楽しく,ちゃんと動いて結果が出てくるとよしよしと思い, 絵を眺めてパターンがみつかるとワクワクし,パターンが生じる理由を思いつくと 「あ,なるほど」と腑に落ちる充足感がある. あとは,このことをだれかがすでに書いているか勉強しないと. きっと書いてるだろうな.
今朝はひときわ冷え込む.朝,京菜を摘もうとヘッドライトをつけて庭に出ると,あたりじゅうが キラキラと光を反射する.京菜は凍ってぱりぱり. 写真 は出がけに撮ったターサイ.これだけ霜があたってもびくともしない.
冬支度をした木々もそれぞれに個性がある. ヤマコウバシは枯れた葉をつけたまま冬を越す. 赤い芽鱗に包まれた冬芽はおしゃれだ.
ブロッコリーは一通り収穫したが,葉の腋から小さい花序がいくつも出てくる (写真). このほうが切り分ける手間がないのでかえって便利.これを摘んでもまたあとから伸びてきて, けっこう長期間にわたって楽しめる.
何人かのかたに動作テストをお願いしたうえで,生態学会の 要旨登録ページをオープンした. 講演タイトルや演者は変えられませんよ〜とか, 登録番号やパスワード忘れた人は登録メール再発行システムをご利用くださいとか, 先手を打つメッセージをあちこちに仕込んでおく. でないと,そうした問い合わせメールを何十通もいただくので.
来週・再来週と会議がどっさり.締め切りもあるし,充実の年末.
きのうの話題の 中庭の写真.正面手前がモチノキで,奥がトウネズミモチ.その両側の松は 左がクロマツで右がアカマツ. 所内の樹木に名札をつけることになっていて,その下調べ中にこの庭に秘められた意図に気づいた. なお,国立環境研究所の建物は つくば建築フォトファイル の中でもページ数を多めに使って紹介されている. デザインは 大谷幸夫氏.
10日の記述にとんでもない錯乱を発見してあわてて修正. 見え消しにして錯乱の現場は残してあります.
職場の複雑に入り組んだ建物群のなかのある中庭の木に,意図的なものを感じた 人が植えたのだから意図的には決まっているが,あきらかに狙いがある. 正面にモチノキがあり,その後ろにトウネズミモチがある.系統的には遠いがモチノキつながり. トウネズミモチの左右にはアカマツとクロマツがある.さらに,中庭の両端には コブシとハクモクレンが対置されている. 近縁で,春先の白い花はちょっと目には見分けがつきにくい一対. ヤマボウシとハナミズキが並んでいるところもある.この2種もごく近縁. 低木に目を移すと,ナンテンとヒイラギナンテンが混ぜて植えられている. 系統的には遠いがナンテンつながり.どこのどなたが考えたか知らないが,やるなあ.
クロガネモチの赤い実が,常緑の葉のあいだにみっしりと実っている.
図鑑によれば雌雄異株だそうだ.
植わっているクロガネモチはたいてい実がなっている.
実を楽しむために雌株を植えるということか.
雌株ばかりでも実がなるのは,自分の花粉で実ができる自家和合なのか?
(←なに混乱して馬鹿なこと書いてるのやら.雌花には花粉がありません.正しくは「花粉がなくても果実ができる単為結果なのか?」です.)
生態学会全国大会のプログラム原稿生成のためのCGIプログラムが一通りできて, 必要なデータもご担当の方々からいただいたので,出力を確認のうえ関係各位に ご連絡する.あと用意するのは要旨の登録システム,要旨の印刷原稿の出力システム, 要旨のウェブ版生成システム,それと口頭発表用のプレゼンファイルの登録システム. いずれも去年作ったものが土台になるので,それほど大変ではないはず.
「 いつかってないんだよね。やるなら明日、今日から始めないと」. 青いかもしれないけど,そのとおり. 管理職の任期を終えて研究に勤しむ日々を楽しみにするというのはよろしくないぞ. 定年後の楽しみってのも,楽しみたいなら今から楽しむべし.
酒井さんの 進行状況(12月6日)で,登録順に番号が振られている生態学会全国大会の 参加登録者リスト がなかなか味わい深いと評されている. でも,私が一番乗りなのは好きなようにいじれる登録データをひとつ載せて いろいろとシステムの動作テストをするためであって, 私の性格についてはなんら物語るものではない. 菊沢さん のように, あんまり締め切り前に準備してしまって, いざというときになって準備したものが見つからないなどということは決してない (ちゃんと見つけるという意味ではなく,そんなに早く準備しないの意.いわずもがなですが).
ここ数日で,紅葉していた葉がだいぶ散ってしまった. 実がなっているものは,葉が落ちていっそう目立つようになった. 庭のニシキギもしかり (写真).枝のコルク質の翼もよく見えている.
昨日は12月の会議の日.午前中から5つの会議. どういうわけか,終わることになって足の甲が痛くなった. 心身のバランスが崩れているのか?
断虫亭日乗(11月28日)の,虫の収集家の分類がおもしろい. 「チョウチョのように豪華で大きなものを並べて喜ぶ人と、私のように地味なものを並べて喜ぶ人がいる」 とのこと.そして,「私の好みをもう少し細かく言うと、体長5−20ミリで、どれも基本的な形に大きな違い (そして細かいところは大きく違う)のない虫が好きである。「統一性の美」と誰かが言っていたが、まさにそんな感じである」.
植物でも同じだな.いわゆる洋ランだのバラだの菊だのの愛好家は派手系か. 私は地味系. シダなどまさに地味好みの心の琴線に触れる. 基本的な形に大きな違いがない.多くの種類はいかにも シダっぽい複葉だ. でも細かいところが大きく違う. 胞子嚢のつきかたとか(こんなのもあれば あんなのもある), 葉柄基部の鱗片とか,最下羽片の下向き第一小羽片の長さとか. その違いにワクワクする.