そんなものを書いたことをまったく忘れていた原稿の校正が届いた. コンピューターのなかを探してみると, 3年以上前に書いたファイルが見つかった. 全部の原稿が集まるのにそれだけ時間がかかったということか. 菊沢さんが生態学会の会長をされていたころの エッセイを思い出した. ともかく,自分の原稿をまったく新鮮な目で読み返してみる. けっこうちゃんと書いてあるようだ.
調査の手伝いで行った都内の公園で,センニンソウが咲いていた (写真). 日本在来のクレマチスの仲間.ストイックなデザインがよい. いっぽうオミナエシの花は真っ黄っ黄.花弁だけではなく花の柄まで黄色くてまぶしい. 写真は オミナエシで吸蜜するアオスジアゲハ.
降りかかるあれやこれやを悩まずにどんどん打ち返す,平常モードに復帰中. なんかめんどうそうだから後で考えようと思うと,そういう「なんかめんどうそう」 な仕事がうずたかく積み上がる.
朝,家のオリーブの木にとまっていた蝶を写真に撮る. 調べたところツマグロヒョウモンのようだ (写真). 詳しい人に聞いて確認した. 分布範囲が北方へ広がりつつあると言われている.
本日は午前中の会議をすっかり失念して,別の仕事をしてしまった. 午後4時ごろになって気がついて愕然とした. だいじょうぶか.
明日は東京.
土曜の午後,通勤の道沿いの土手で,エノコログサの穂が陽射しを浴びて光っていた (写真). まわりに生えているオオニシキソウは, ひとつの花の直径が2ミリもないぐらいだ(写真). 思いっきり寄って撮ると,ちょっとした風でピントがずれてしまう. そもそも,「ひとつの花」といってもどこがひとつの花だかよく分からない, トウダイグサの仲間らしい妙な構造の花序だ. 以前に載せた,説明付きのトウダイグサの写真は こちら.
カシやナラのドングリはまだ未熟で,新鮮な緑色をしている (写真).
ここ数日,夏休み気分になって自分の研究に時間を使ってしまった. その間にもいろいろと締め切りが迫る.仮に5つの締め切りを抱えているとすると, 1日ごとに積算で5日分,締め切りまでの時間の猶予が減ることになる…… という計算にどんな意味があるか? 「また締め切りが一日近づいてしまった」という気分を5回味わえるということか.
この前の週末,家の近くの道沿いにカラスウリが繁っているのを見かけた. この時は昼だったので,夕方暗くなるろとに咲きはじめる花はまだつぼみの状態だった. 昨夜,食事のあとにヘッドライトとカメラを持って行ってみたら,みごとに花盛りだった (写真). クチナシに近いような甘い香りがほのかに漂っていた.遠くの昆虫(夜行性の蛾か)が 香りに呼び寄せられ, 近づくと月明かりに白い花が浮かんでいるのだろう.
職場の構内に生えているカヤツリグサの仲間 (写真)はコゴメガヤツリか. 昆虫のお世話にならないので いたって地味な花序だが,こういう細かくて整った地味さは好みだ.
職場の道路沿いの土手で咲いているノアズキの花は, ふしぎなねじれ方をしている (写真). 鏡に映したように逆方向にねじれたものは見たことがない. 花弁に小さい穴がいくつもあいているのは昆虫がつかまった跡だろうか. どの花もこんな感じだ.それだけ人気があるようだ.
ちゃんとできるかどうか分からない仕事がいろいろあるとき, 不安を感じて胸が苦しくなることもあるし, 出来栄えはともかくなんとかなるだろうと思えることもある. このところ,やや悲観的なほうに傾きがちだ. 2,3個片づけてしまうと楽観的になれるのだろう. さっさとやりましょう.
先日,東京に調査の手伝いに行ったときの写真から,植栽のテイカカズラ (写真). キョウチクトウ科らしく,花弁が風ぐるま状にねじれている.
なんとなく夏休み気分が漂っているが,さまざまな締め切りがしずかに忍び寄る. 油断できない.
5月ごろ,家の庭のアキニレに,樹液を目当てにオオスズメバチがよく来ていた (5月5日の「様子」). 最近は,ノコギリクワガタが常連客になっている (写真).
本屋の雑誌の棚の前を通り過ぎるとき,"ロゲルギスト"という字が目に飛び込んできた. ロゲルギスト.憧れのようなものの対象だった気がする.なんだったっけ. その字が並んでいたのは岩波の『科学』の表紙だった.特集 「ロゲルギスト 『物理の散歩道』のこころ」. 手にとってみると, ロゲルギストは今はなき雑誌『自然』の連載記事の 著者グループだった.物理学者たちが身近な現象の物理的なメカニズムなどを議論する, 一種のエッセイ. 『自然』は時々買って拾い読みしていたが, ロゲルギストの記事は楽しみのひとつだった. 完全には理解できなくても,その感覚が好きだった. 真剣かつ理詰めの遊び心とでも言ったらよいのか.
『科学』の特集では,昔の読者たちがさまざまな観点から ロゲルギストが何であったのかを語っている.
ごくふつうに見かける種類の生き物は普通種と呼ばれる. 一方,めったに見られないのは希少種で,たまたま巡り合えると, そうと知っている人はおおいに喜ぶ.
しろうとがそこらへんで見つけるのはたいてい普通種だ(そういうのを普通種と呼ぶのだから 当たり前だが).それでも,希少種もまったくいないわけではないから, しろうとが見かけることもある.先日私がたまたま写真を撮ったイトトンボが実は絶滅危惧種で, 関東地方では超希少種のベニイトトンボ (写真) だということが専門家に聞いて分かった.ちょっと感動.
あいかわらず,ぽつりぽつりと絵日記を書く. 通勤の途中で咲いていたノゲシ (写真). オニノゲシも混ざって咲いていた. どちらも遠目には見栄えがせず,空き地にぽつぽつと生えている様子は 荒れた感じすら漂うが,近寄ってみればけっこう端正な花ではないか.
職場構内のアカマツ林の林床でワレモコウが咲きはじめていた (写真). バラ科だが,ぱっと目にはそうは見えない. 花びらの赤が深い.
きょうは午後から東京へ.
ここしばらく,つくばではしっかりとした雨が降っていない. 昨夜の雨も数ミリ程度だったようだ.
ヘクソカズラの花にカメラを向けると,葉に雨滴が残っていた (写真).
知ったかぶりでもっともらしいことを言うには, もっともらしい台詞をとっさに思いつく機転と, それをもっともらしく口にする臆面のなさが必要だ. 管理職の1220日間で,すくなくとも臆面のなさはアップしてしまったのを実感する.