ヤマノイモと近縁の,オニドコロの花が咲いている (写真). 雌雄異株で,これは雄株の花序.よく見ると,ひとつの花に6本づつ雄しべがある. 花はなんとなく熱帯っぽい香りがする.何を呼ぶ香りだろう.
この季節には,オクラの花にカメラを向けたくなる (写真). おだやかなクリーム色の花弁がよい. ハイビスカスとおなじアオイ科で,たしかにそれらしい花だが, あまり派手に育種したハイビスカスの花よりもオクラのほうが好みだ.
庭のブルーベリーの実が熟すそばからヒヨドリに食べられてしまう問題は, 防鳥用の糸で解決した. 糸には目立たないものと目立つものがある.目立たないものは,気付かずに飛んできた 鳥がぶつかってびっくりすることを狙っているのだとか. 食べるのをちょっと遠慮して欲しいだけなので, 糸で怪我をされたり,まして死なれたらこちらも寝覚めが悪い. ラメが入って目立つほうを買ってきて,ブルーベリーの周囲に支柱を立て, らせん状に糸を巻きつけた.効果てきめん. ゆっくりと熟すのを待って収穫できるようになった.
この7月が終われば,5年の管理職任期ものこり 1/3 だ.
職場の構内でコバギボウシが咲いている (写真). 一本だけ長いのが雌しべ,そのほかに雄しべが6本.いずれも先端が上を向いている. 家で咲いているこの仲間の花を切って一輪ざしに投げ込んだとき, 外で咲いていたときと花の向きが変わったら, しべの向きも変わった.重力を感じて上のほうを向くようだ.
名古屋の集まりのとき,組織がどうの,予算がどうのという話より, 生き物の話,研究そのものの話をしているときのほうが,ずっとずっと楽しかった. 自分が座長をしたセッションのまとめという,あまりワクワクするものではない発表の スライドのすみっこに,彩りとして脈絡もなくシダの写真を入れておいた. そうしたら,あれはどういう意味があるのかと聞かれ, いやまあシダが好きなもので… と答えたら,おお,自分もシダの研究をしている, シダが好きならインドネシアに来い,種類も多いし,島によって云々… といった話の展開になったり.
今週の前半は,名古屋での国際ワークショップに参加してきた. 途中のコーヒーブレークの時間が日食のピークと重なった. あいにくの曇り空だったが,雲の薄いところが太陽と重なると ちょうどよいフィルターとなり,欠けた太陽の形がはっきり見えた. 参加者はみな会場の前に出て空を見上げた. 職場の広報誌のひとつにこのワークショップのレポートを書け, 写真も入れろという宿題を抱えていたが, 会議の写真なんてどれも同じでおもしろくもなんともない, どうしたものかと思ったが,「コーヒーブレークに日食を見る参加者」 (写真) なら,ちょっとは新鮮かも.
年齢を重ねるとよいこともある. ワークショップでいっしょになった海外の研究者と話しているうちに, 実は25年前に会っていたことが分かった. あの研究室にいたのなら○○さんを知ってるか,△△さんはいい人だったなぁ, などと話がはずんだ. 何十年ぶりの再会なんて,若い人にはマネできまい.
ちょっと前に,またひとつ年輪を重ねた. 無事に一年を生きられたことに感謝する. はやく終わってほしい管理職任期中の一年とはいえ,かけがえのない一年には違いない.
家の畑では,キュウリ,ナス,トマト,インゲン,オクラが採れれている. きのうは初ゴーヤを収穫した.もう少しするとトウモロコシが収穫できるはずだ. 写真は雄花のアップ (写真). たくさんの葯がぶらさがっている.
15日に写真を載せた エゴノネコアシアブラムシ という名前を口にしてみると,なんとなく『チャコの海岸物語』という曲名を思い出す. 東京方言だと「高低低 低高高高 低高高低低」と, 音の高さのパターンがまったく同じなので. それだけのことです.
明日の午後からから木曜まで名古屋へ出張.
今日と明日の午前中は,職場で上級救命講習を受ける.数年前にも受けたが, その後,AED の使い方もカリキュラムに入ったようだ. こういう勉強をすると自分にも存在価値があるような気がしてくる. 万が一,心停止になるなら,AED が設置してあってそばに私がいるときを選んでいただくと 少しはお役に立てるかもしれません.
家の居間にはドラセナの鉢がふたつ置いてある.その一方でシダが繁茂している. 室内のシダの鉢から胞子が飛んだもの(マツザカシダ,アジアンタム)や, 外から飛んできたもの(ホシダ,カニクサ)が鉢からあふれ, シダの寄せ植えのアクセントにドラセナを植えたかのようになっている. シダは条件さえ整えばおのずと生えるものだという感を強くする (種子植物と比べて,生態学用語で言う「散布リミット」になりにくいということ).
もうひとつのドラセナの鉢は表面が乾きがちだったのか,これまでシダは生えてこなかったが, 最近になって前葉体らしきものをみつけた.しばらくまめに水をやっていたら, 胞子体の葉が顔を出した (写真). ハート型で黄緑色の胞子体の葉はせいぜい2,3ミリ.その下の,ぺろっと広がっている濃い緑 の前葉体は6,7ミリといったところ.葉の様子はアジアンタムっぽい. 見守ってみよう.
おなじくシダの仲間のトクサは,茎の先に胞子穂を付けはじめた (写真).
筑波山の調査のあいまに少しだけ写真を撮った. イヌガンソクの葉はおおざっぱなようだが,やはりシダらしい端正さもある (写真). これで長さ 70〜80センチぐらいか. オカトラノオはやや明るい道端で咲いている (写真). これでサクラソウ科だ. 日光で見てきた クリンソウ もサクラソウの仲間だ. どちらかというとオカトラノオのほうがこれ見よがしでなくて好みだ.
きのう,朝食のあとに歯を磨きながら庭を見ていたら,2羽のヒヨドリが飛んできて 迷うことなく目の前のブルーベリーにぴたっと止り,熟した実を探して食べている. こらこらと思ったときには飛び立ち,こんどは庭の奥にある別のブルーベリーの株に 一直線に飛んでいった.すっかり巡回経路に組込まれてしまったようだ. 君たちも食べたいのだろうが,こっちだって食べたい. 週末に対策を講じよう.
このところ,毎日数個ずつとれるナスやキュウリに追われている.ほかにミニトマトやインゲンが とれはじめた. ラズベリー,ブルーベリーも毎朝とってたべていたが ヒヨドリにブルーベリーを覚えられてしまって,今朝は熟した実はひとつも残っていない. 防鳥ネットを買ってくるか.
本日は筑波山で調査手伝い.状況によっては明日,明後日も.
庭に植えたものがいつのまにやら増えているセージの花が,クマバチに人気だ (写真). ミツバチの仲間のクマバチはいたって温和で,まず人を刺すことはない. 安心して近くで写真を撮る. クマバチの図体ではこの花に這いこむにとはできないが, 花の横に抱きついたあと,つけ根のあたりから蜜を横取りしている (写真). 雄しべや雌しべには触れないから授粉に貢献しない. これを盗蜜という.おお,盗蜜だ!と言って写真を撮っていたら, 連れ合いが「盗撮?」と言う.なんと人聞きの悪い.
あちこちでネムノキが咲いている (写真). 細い毛がたくさんあるように見えるのは雄しべ. 昔々,植物生態学をやろうと思って大学に入ったものの, 植物をほとんど知らない.これではいけないと家にあった図鑑を眺めはじめたが, 実際の植物のイメージないのに図鑑だけ見てもなかなか頭に入らない. そのなかで,ネムノキの花の絵はなぜか印象に残った. そのころ,たまたま道を歩いていたときに目についた木の花がネムノキに似ている. 家に帰って確かめるとたしかにネムノキだ.図鑑の中の木が実在していることを 始めて実感した瞬間だった.
以下,絵日記です.ヨウシュヤマゴボウが花盛り (写真). アリが蜜を求めて来ているようだ. とても小さくて目立たないがハエドクソウの花はなかなかきれいだ (写真). 野生のランの一種,ノヤマトンボの地味な花が咲いている (写真). すぐ足元でランが咲いていることに気付かずに人は通り過ぎていく.