職場で参加している研究プロジェクトのグループ内セミナーで話したときの要旨 を研究プロジェクトのページに載せたので,リンクします. 「森林の多様性 − 保全の課題と生態学の課題の深い関係 」 などともったいぶった題を付けてますが,全然深まってない話です.
ある場所にあらわれる生物の種数がどうやって決まってるのかとか, 多種が共存できるメカニズムとか,ごく基本的な問題のように見えるけれど, よく分かっていません.研究されてこなかったからではなくて, 実はとても難しい問題だからです. そういうなかで,自分は生物多様性の研究プロジェクトの研究をどう進めるかを 喋りました.
ところで最近,地球科学と地球温暖化の予測のある種幸福な関係について 語られているのを見かけました (国立環境研究所・地球環境センターニュースの 12(3)号,9ページ〜 (PDF) ). 科学の現状からみて次の大きな課題,それもがんばれば手が届きそうな課題が, ちょうど世の中が回答を求めている課題でもあった,ということのようです.
分野によっては,科学の現状と世の中の要求に大きなギャップがあります. 生態学ではそのようなギャップだらけのような気がします. これはつらいですね. 答えが出せるフリをするにしろ,ほとんどでまかせだと思いつつ 一応の答えを出すにしろ,研究者としては後ろめたいし, そういう作業がどこまで科学の進展に役立つかも疑問です. 一方で「そんな答えを求められても無理だ」といってかたくなに世の中の 声に耳を塞いでいたら,それなりの風当たりは避けられないでしょう.
19日は東京に行って, 国立環境研究所公開シンポ でポスター発表してきました. 2時間半ほど説明し続けて,ちょっと疲れました. 自分の研究のどういう点をどうアピールしたら一般の人に 理解してもらえるのか,いろいろ考えるところもありました.
書きかけて1年ほど眠ってた論文を引っ張り出して続きを書こうとして います.すでに書いてあるところを読んでみるとなかなかおもしろく, つい引き込まれて読んでしまいました.まあ研究した本人がおもしろいと 思わないようではどうしようもないのですが.
秋田県立大学の星崎さんから,拙作の 全天写真解析プログラムCanopOn を学生実習で使ってくださったとのメールをいただきました. 機能が単純なことと,フリーなことが学生実習での利用に適して いたようです.こういうメールはたいへん嬉しく励みになります. いただいたコメントを参考に多少のバージョンアップをしました.
「北海道大学農学部附属演習林」改め 「北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション」 の,「苫小牧演習林」改め「苫小牧研究林」に行ってきました. 野外調査への復帰は 私の今年の大きな目標のひとつ ですが,そのためのたいへんよい足がかりが得られました. お世話になった 皆さんに感謝です.
いっぽう,ちょうど札幌滞在中に,北海道大学の 沼口敦さんの訃報 に接することになってしまいました.私よりも若い,気鋭の大気物理学の 研究者でした.かつては国立環境研究所の同僚であり,いろいろ教えてもらった こともあります.突然のことに,残念,無念という思いとともに,人間の命の あっけなさも強く感じました.
ちょっと研究から逃避気味です. 先週末に続いて,以前書きかけて放ってあった雑文に手をいれて 載せました. 学会やセミナーで質疑応答を楽しむ という文章です. ページの更新はこのぐらいにして,研究に復帰します.