だいたい植物はオートフォーカスのカメラでは撮りにくいものだけれど,ヒメコバンソウ なんて撮りにくい題材の最たるもの.通勤途中で撮ってみたけど (写真),ぜんぜんだめです. 一眼レフのデジカメが欲しくなる.マニュアルで,ピントを合せるところも 被写界深度も好きに調節しながら撮りたい. ところで,ヒメコバンソウとコバンソウは,これはいかにも同じ祖先から進化したものとしか 言いようがないなあと大学院のころに感心した組み合わせであった. アメリカの黄色いカタクリの写真をみたときも同じ感動があった.
生態学会大会参加者が申込みにあたって記入する所属はじつにさまざまに表記される. ひたすら詳細で長大なものもあって,名簿や名札に載せるには短縮する必要がある. 去年は私が手作業で短縮した.一件平均15秒でチェックすれば1時間240件, 半日あればできるなと思って,実際そのとおり,週末の午後いっぱいで1000人分を かたづけたのだった.今年のネット業務担当の久保さんは Perl で 自動短縮スクリプト を書かれた. まさに「楽をするための苦労は惜しまない」という正しいハッカー精神の発露というべき.
フランスでの ワークショップ まであと10日.ようやく発表準備に本腰.
小川みふゆさんが, 少し雑かとウェブでの公開を躊躇してるといっておられたページがめでたく公開. 期限付き雇用の女性研究者ための産休情報 . どんなテーマでも,手間ひまかけていろいろ調べた成果を整理して公開すると だれかしらの役に立つ.
逃避行動で昔の「様子」を眺める.リンクが切れてるところも散見される. 生態学研究センターの ニュース No 50 に掲載の 生態学は環境問題にいかにとりくむべきか (百瀬邦泰さん)を新しいURLに訂正(PDF ファイルの14ページから.2007-03-13 再訂).
このなかで,「環境調和的な個人主義社会の実現のため」の4つの柱をあげ,そのなかで 生態学が貢献できるのは, 第三の柱「持続的な土地利用を定着させ、安定して食料や各種生物資源を生産すること」と, 第四の柱「失ったら戻らない自然遺産や文化遺産を保全すること」 だとしている. そして,第三の柱に直接取り組むのは農学だが, 「生態学は農学が依って立つ基礎科学であるということを、生態学者自身が忘れかけているのでは」 と懸念されている. そのあとを引用.
エネルギー工学が期待された成果を上げるためには、物理学の膨大な蓄積が必要である。 これと同じ関係が、農学と生態学の間にも成り立つはずである。生態学を、 農学に頼りにしてもらえるだけのしっかりした学問にするには、層の厚さがどうしても 必要である。従って、ほとんどの生態学者が保全生物学に流れてしまうのは、 かえって有害である。
そういえば,最近の生態学会の大会では,保全関係のシンポジウムや自由集会が ものすごく多くなっている.それ自体はまったく悪いことではないけど 「しっかりした学問」も進めないとあやうい.
きのうの「様子」で,巡回セールスマン問題を巡回サラリーマン問題と書いてしまった. かなり恥ずかしい.
もう少しで論理が通りそうで,まだじゅうぶんに整理できず, だから説得力を持って人に説けないことを,きのうから頭のなかで転がしている. ここが整理できないと,再来週の発表も迫力を欠く.
生態学会の要旨の登録の件はようやく解決した. IE も Operaも,デフォルトでは プロキシサーバと HTTP 1.0 (1.1 でなく) でやりとりするようになっている.HTTP1.0 の場合,どういうわけか, 送信データ中にエスケープ文字 '\' があると,(おそらくエスケープ処理されないために) その前にさらに'\' を挿入してからサーバへデータを送信する. 日本語の シフトJISコードで2バイトめが エスケープ文字'\' と同じ 5C になる文字 (たとえば'表')でも同じことをする. J-Stage の入力フォームでは, '表'という文字を含む名前のフィールドが あり,これにも'\' が挿入されてしまう. サーバ側から見ると,知らない名前のフィールドデータが 送られてきたことになり,そんなフィールド知りませんということで却下する, という現象だったようだ.
フィールドの名前に日本語文字を使う(それもシフトJISで)などという, わざわざ危険を抱え込むようなことしなければよいと思うのだが. ともかく,IE 6 では,プロキシでも HTTP 1.1 でやりとりする設定にすると うまく行った(「ネットワークオプション」の「詳細」のなかで設定). しかし Opera 7.22 では HTTP1.1 を使う設定にしてもだめ.送出パケットを チェックすると,はじめは HTTP1.1 を宣言してデータを送信してるのに, J-Stage とやりとりを始めたとたんに HTTP 1.0 に戻ってしまってる.謎だ.
釧路大会のネット雑用係である 久保さんが, この間のやりとりにもとづいて J-STAGE 要旨入力で「登録」が却下されるときの対策 をまとめておられる.
今日のゴミ収集は古紙・古布(コシコフってとてもロシア風で, ボリース・イヴァーノヴィッチ・コシコフなどと勝手な名前を作って遊んでしまう). この日に古新聞をゴミ集積所にだすと,市のゴミ収集車が来る前に民間業者がすばやく トラックで回って持っていってしまう. だれが持ってっても資源として使われるならそれはそれでよいので,別段気にしてない. 業者は複数あるようで,それぞれのトラックが集積所を走り回る. じっくり待って新聞がたまったところでおもむろに回ろうなどと考えると, たちまちほかの業者にとられてしまうから,頻繁に各集積所を回らないといけない. テリトリー内をなるべく短い時間で巡回できる経路を選択した業者が有利だろう. これはまさに巡回セールスマン問題( 最初,巡回サラリーマン問題と書いて載せてしまった.訂正 ). 与えられた多数の都市を最短距離で一周する経路を探せという問題で, 多項式時間のアルゴリズムはおそらく存在しないけど,存在しないということは 証明されていない,NP困難な問題の古典的な例だ. 厳密解を求めるには,おそらくすべての場合をしらべて比べる総当たり法しかなく, そのために必要な計算量は地点数とともに指数関数的に増加してしまう.
巡回セールスマン問題で検索するといろいろなページが見つかる. 近似的にほぼ最適な解をさがすアルゴリズムはいろいろ考えられているが, そのようなアルゴリズムで解を探索するようすをJava アプレットでみせて くれるページがいくつかあった. ichinii's HomePageのなかの ページ とか, 「新しいパラダイムとしてのアルゴリズム工学:計算困難問題への挑戦」 という科研費のグループの ページ とか.
でも,現実の古紙集め競争は巡回セールスマン問題よりももっと複雑だ. 回るべきポイントの選択に自由度がある. 飛び離れた1地点にいく手間をかけるよりも,他の地点をマメに回ったほうが 得かもしれないとか,場所によって古紙量の違いがあるとかが選択の判断材料となる. また,他の業者が切り捨てたポイントを狙うと一回行ったときの収穫が多そうだという, ゲーム理論的状況もある. 他業者の直後を追っかけていくのは最悪の戦略.
けさ古新聞を出したら,行きすぎるところだったトラックがUターンして戻ってきた. プレーヤーの広い視野も求められる高度な競争のようだ.
今朝もさっそく試した生態学会大会の要旨の登録だが, おなじみの却下メッセージ.もう,却下されるのをひそかに期待する気分になってくる. J-Stage のサーバのシステムは,何が気に食わないで却下してくるのか. こちらからの送信内容のログを見ると,ちゃんと受けとったクッキーを返しているし. 研究所のファイアウォールなどが関係してるのか. 家からプロバイダ経由でアクセスすればあっさりできそうな気がするが, もうしばらくようすを見てみよう.
要旨受け付け関係は大会本部ではなくて学会事務局がサポートをすることになってるようだが, 一応大会本部にも一報を入れた. めんどうをおかけしてすみません.
Java アプレットをめぐってはさらにふしぎな挙動も観察されたが,もういい. とにかくこうしておけば動くという状態にして,それ以上の原因追求はやめる. はやいところ 6月のワークショップ の準備をはじめなくてはいけないが,ほかにもいろいろとあって なかなか手がつかず,焦りとストレスだけがたまっていく.
簡単に終わりそうな仕事の一つ,生態学会の講演要旨の作文と登録を試みる. 今回の学会から,J-STAGE というシステムを通じてオンラインで要旨を送ることになっている. 生態学会のページ (大会のページじゃなくて)からリンクをたどると,生態学会大会用の 要旨入力画面に行ける.順次入力していくと,英語の演題だの,キーワード5つだの, 前もって書かれていない要求項目が順次出てくる.動じずにクリアして最終ステージに 到達し,「登録」ボタンを押したら……
以下のいずれかの要因により、処理が行われませんでした。
従いまして、以下の操作を行って下さい。
といわれても,クッキーは有効にしてあるし,レスポンスはすこぶる早いし. キーワード考えたりしてた時間がいけなかったのかと思って,こんどはめいっぱい 素早く入力してみるが,やはり 「以下のいずれかの要因により、処理が行われませんでした(以下同文)」. ブラウザをOpera から IE にしてみたり,他のコンピュータからアクセスしたりしてみたけどだめ. 一度クッキーを捨ててもだめ.そのうち,登録画面に行こうとするだけで「以下のいずれかの要因により(以下同文)」になってしまった.もういやだ.来週にしようと思ったが,もう一度挑戦. お,こんどは登録画面に行けた.各ステージをクリアし,最後の登録ボタンを押す. 「以下のいずれかの要因により(以下同文)」.Jステージの壁はなお厚い.
野生植物の絶滅リスクの推定の Java アプレットが IE6 で動かない件のその後です. 東大海洋研の勝川さん さんから, MS の Java VM とSun の java の新しいバージョンとは互換性がないためで, IE互換にするためには古いバージョンのVirtual machine をターゲットにする 必要があるとの情報をいただきました.ありがとうございます. 公開してみるもんですね. javac -target 1.3 ソースファイル名 としてやればよいようです.
…で,一件落着かと思いきや,それでもうまくいったりだめだったり. どうもここのプロバイダ(COOL ONLINE) に載せて IE で見ようとすると動作しないようです. 私が管理してる別のサイトの中に置いてみたらOK. HTML 文書は COOL のままで,呼び出すアプレットだけ他所に置けばよいようです. COOL のサーバはいったい何をしているのでしょうか. Opera ではちゃんと見えるし.ほんとに謎です.
野生植物の絶滅リスクの推定プログラムのその後. アプレットの内容によって IE6 で動いたり動かなかったりする. Java VM の互換性などの問題だろうか.あまり深みにはまりたくないので,かわりに Delphiに移植した. Windows 限定になってしまうのが悔しいけど. 野生植物の絶滅リスクの推定のページには Java版と Delphi版と両方載せました.
通勤路の道端ではヘラオオバコが花盛り (花のアップ). エゴノキ (写真)の香りもムンムンしている. シロダモは毛むくじゃらの新葉を広げはじめた (写真).
野生植物の絶滅確率の評価プログラム Java 版が動くようになりました (>野生植物の絶滅リスクの推定). Java 3作めの拙いものですが ソースコードも公開. ちゃんとコメント書き込んでません. 将来の自分のために,今のうちに書いておこう.
日本植物分類学会絶滅危惧植物問題専門第一委員会がまとめた 『「植物レッドリスト」(種子植物・シダ植物)の調査・判定方法と判定結果の特徴』 という文章(文責:矢原徹一さん,加藤辰己さん)に書かれている絶滅確率の推定法を, 横浜国大の松田裕之さん が C と Mathematica で実装している (>日本産植物の絶滅リスク評価). 人に説明するときなどに使いやすいように(近々そういう機会が何度かあるし), おなじことを Java で実装してブラウザ上で動かせるように作業中 (>今の画面の雰囲気).
去年の生態学会大会のお世話をしながら,イライラしないように自分に言い聞かせたことは,
だからどんなミスにもいらついちゃいけない,ということだった. 今年は自分で 1000回に1回はやりそうな失敗をしてしまった. 期日までに払い込むと大会参加費が 5,500円で懇親会費 6,000円,合計11,500円 払うべきところ,13,500円払ってますよと会計担当のかたから連絡をいただく. 余計な手間をかけさせてしまって恐縮次第.
きのうの出勤途中にふと思いついたことがあり,プログラムを書いてシミュレーション実験を してみた.それをもとにメモを書いてる途中でさらに考えが広がった. これはすごいぞおもしろいぞと興奮し,だれもいない研究室でオー,オーとわめいた.
歩道脇にハマウツボ科の帰化植物ヤセウツボ (全体写真, 花のアップ) が咲いている.写真に一緒に写っているアカツメクサなど,おもにマメ科に寄生するのだそうだ.
夕方自転車で帰る途中,ニセアカシア(写真)の 花の甘い香りがただよっている.
先月29日,家の近くにある筑波実験植物園に行ったら,みどりの日で無料開放だった. 植物園のページはhttp://www.tbg.kahaku.go.jp/ だけど, プラグインを無効にしてあるとほとんどなにも見えない, あんまりなページなので,敢えてリンクは張らない. そんなページのデザインとは無関係に園内は花盛り. 地味なところではカンアオイなど(> 全体写真, 花のアップ). 花の写真をよくみるとダンゴムシが歩いている.もしかしてこれが送粉者なのか?
来月フランスに行くというのに, パスポートの有効期限が切れてたのを失念していた. 午前中休みをとって,市役所とパスポートセンターへ. あぶないところでした.
ふくらはぎの肉離れは日々回復していく. もう日常生活に支障はなくなった.100%の運動ができるまではあと数日ぐらいか. 毎日なにかしら,前日はできなかったことができるようになっていくのが嬉しい. 毎日なにかしら,前日は分からなかったことが分かるようになっていったらすごかろう.
30日は生態学会釧路大会 の講演・事前参加申込みの締切日. 学会参加申込み締切日のばたばたは,例年変らぬもののようです. 一度自分で経験すると,たいへんさがよく分かります. 大会実行委員会のみなさんにはひたすら感謝です. つくば大会の運営メモの 諸問合わせのページを読み返し, ほんとにいろいろあったなあと回想にふけってしまった. 運営メモだの 実行委員会非公式日誌 だのには書かなかったけど,罵詈雑言を浴びたことも1度ではなかったなあ. 書かなかったおかげで早く忘れられたのかも知れないけど.…などと書いてるようでは まだ忘れてないか.
ナガミヒナゲシがそこらじゅうで咲いている(>写真). 帰化植物で,地中海沿岸から中欧原産だそうだ(>波田さんの植物雑学事典).