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2004年 6月

2004-06-29

週末に C++ に移植したプログラムは,もとの Ruby 版のほぼ 10倍の速度で動いている.

有用そうなプログラムを書いたものの, Mathematica だったり S-Plus だったりといった 何十万円もする動作環境で動くので,なかなか他の人に薦められないという話をときどき聞く (S-Plus だったら R に移植すればよさそうなものだが). コンパイラや動作環境がフリーの言語を使えばそういう心配はいらない. 他人にも使ってもらいたいプログラムはなるべくフリーの道具で作るのがよい.

シベリアの写真のスキャナ読み込みを再開. きのうは1995年のコリマ川下流域の調査時のスライドを読み込んだ. タイガに囲まれた池の水面の青さが目にもあざやか. 山火事跡の裸地で発芽してたちまち花を咲かせる ヤナギランも趣深い.

2004-06-25

おとといは,10月の東アジア生態学会連合第1回大会 をまちがえて8月と書いてしまい,親切な方からご指摘をいただいた. ありがとうございます.日本の生態学会の 釧路大会と混同してたのか.

人のセミナーを聞いてて刺激されて,唐突に自然保護区のデザインに関係する 計算問題をはじめてしまった. データによっては計算量がけっこう多くなるので, C++ で書きはじめたが, 途中で面倒になって ruby にしたらサクサク書けた.出てきた結果もおもしろい. それからおもむろに C++ に移植を開始.他の言語で一度実装してあれば, ゼロから書くよりはだいぶ早い. 実行速度はどのぐらい違うのか,楽しみ. それにしても,こういう作業をしてるとほんとに楽しい. ときどき自分は生態学の研究者よりもプログラマのほうが向いてるのかなと思うこともある.

2004-06-23

ナツツバキが咲きはじめた(写真). 丸いつぼみもなかなかよい(写真).

角谷拓さんのページのなかの写真暦 は,日記中にぽつりぽつりと出てくる写真へのリンクをまとめたページ.これはよいかも.

今年の10月に韓国で東アジア生態学会連合第1回大会が開かれる. 大会のサイトに 2nd Circular が PDF ファイルの形 で載っている.ほとんど文字情報で,詳細なプログラムが載っているわけでもないのに, 14メガバイト超の巨大ファイル. 韓国のネットは幅広化があまりに進んでいるので,ファイルサイズになど無頓着なのか.

2004-06-18

文部科学省の事業に スーパーサイエンスハイスクールという なにやら安直げなカタカナ名前プロジェクトがあって, 「科学技術、理科・数学教育を重点的に行う学校」を指定して, 「将来有為な科学技術系人材の育成に資する」のだそうだ. 今日は,その 指定校 のひとつの生徒さん数人が私の職場を来訪される. 一日対応の予定.

2004-06-17

フランスに行ったときの写真を 掲載しました.ほとんど植物の写真,あと街の様子を数枚だけ. マクドナルドの地味さが印象的です.

2004-06-15

南仏のさわやかな風に乗って帰ってくるはずのところ, ぜんぜんさわやかでない風邪をしょってってきたが,まだすっきりしない.

きのうは不在中に来たメールに対応したり,ワークショップの自分用メモを 書いたりして終わってしまった.

三中さんの 12日の日録 に, 海外での国際会議は二の足を踏んでしまいがちだが 若手は延髄反射で参加登録してしまうのがよいかも,とにかく行きたければいくべし, 行かなければ収穫ゼロ,とある.御意.

で,見知らぬ人の比率が高い研究集会に行って収穫を得てくるには, とにかく喋ること.自分の発表をネタにしても,相手の発表をネタにしても, とにかくなにかをネタにして話を始めないといけない. 黙っていてもむこうから意見を聞きにきてくれたりはしない. というわけで人格も顔つきも社交的なものに取り替えてせっせと演じる. もともと人見知りをしがちな性格なので, はじめのころはこれが苦痛でしょうがなかったが, 研究者を長いことやってるうちに習い性となるというやつか, つらの皮が厚くなったのか,必要に応じて自然に演じられるようになってしまった.

足が少しでも伸ばせるように,飛行機ではなるべく通路側の席に座るのだが, フランスからの帰りの飛行機では空きがなくてやむを得ず窓側の席に座った. シベリア上空を昼間に飛んだので,地形をゆっくり眺めることができた. 川の河口近くのめちゃくちゃな流路がすごい (写真).いったん船で迷いこんだら どうしようもなさそうだ. そういえばシベリアの写真の整理が課題のままだ.ま,ぼちぼちと.

2004-06-14

昨夜帰国しました.5日間のワークショップの3日目にかぜをひいた. 熱も出た感じでけっこうつらかったが,そこからあとに座長だの委員会だの 自分の発表だのと本番が並んでた.全体の運営をしてる人に 「もし明日現れなかったら座長は代役をさがしてくれ」と言いながら, なんとか皆勤した.まだかぜは抜けない.フランス入国4日目の発病なので, 入国直後か飛行機のなかあたりでもらったウイルスだろうか. ワークショップそのものの感想などはまたのちほど.

植物を知っててうれしいことのひとつは,世界のほぼどこにいっても楽しめることだ. 道端の植物に目をやって,日本と同じもの,似てるけど違うもの, ぜんぜん見たこともないもの,それぞれに小さな感動を味わうことができる. なんの装置もいらないし. 化学物質だとこうはいかない.

ビワやセンダン,トベラをあちこちで見掛けて,なんでおまえがこんなところに,と驚いた. もってきて植えてるんだろう. 空港の空き地に咲いてたタンポポの色が良かった(> 写真). 識者によれば,日本でふつうにみるタンポポの濃い黄色はカロチノイド系だが, このあわい黄色はフラボノイド系ではないかとのこと.

おいおいほかの写真も載せます.

2004-06-05

まだ日本にいますがもうじき出発. フランスはあまりに遠いという時代ではないが,けっして近くはない. 「聞いてくれ!」テンションが100%でないのでますます遠い. 半日座長をするのも億劫だし.

君が行く道の長手を繰りたたね焼き滅ぼさむ天の火もがも  (狭野茅上娘子)

君ではなくて自分の行く道ですけど.それに道中で焼き滅ぼされたら困るが.

行き先の町モンペリエのサッカークラブに日本の広山望が所属していることを きのう知った.小学校のころ,サッカーで広山と一緒だったという人がいたもので. 広山は前から認識してたけど,そうか,モンペリエに行ったんだったか.

2004-06-04

とある人から来た仕事の関係で最近ケシのことを調べた.と思ったら, また別の人からケシの花の話題のメールをもらった. シンクロニシティ.でも,一日に触れる情報の数が増えれば まったくの偶然によるシンクロニシティも起こりやすくなるのは理の当然. 2人の人の誕生日が同じ確率は1/365(うるう年は考えない.2月29日生まれの人, ごめんなさい)だけど,40人の人がいれば ほぼ90%の確率で誕生日が同じペアが存在するし,57人なら99%になる.

ケシというとシベリアで見た黄色いケシを思い出す(> 写真1写真2). 写真1はレナ川が北極海にそそぐ町チクシの裏山にて. 写真2は同じくレナ川の広大なデルタにて.うしろに写ってるのは アエロフロートのヘリコプターです. 植物分類の専門家は日本のリシリヒナゲシと同じものではないかと言ってたけど, 調べたらリシリヒナゲシは利尻にしか分布してないらしい.別種でしょうか.

明日からフランスへ.13日に帰る予定です.

2004-06-03

学会の講演要旨のページに 8月の生態学会の要旨を載せました. 来週の ワークショップ で発表するのも同じ話です.

先日のとある大会にて.当方のチームの成績は12戦してわずか3勝. 応援に来た人がこれを評して「勝率2割5分,りっぱじゃないですか, 新庄の打率よりいいでしょう」.なるほどと納得してしまったが (新庄の打率はきのうで.260だけど),あとで冷静に考えてみると, 打率3割を越える人はなかなかいないが勝率はみんなあわせれば5割に決ってる. 比べちゃだめだ.

2004-06-02

来週のワークショップの発表準備をしつつ, ワークショップに行くまえに終わらせないといけないことの 数々を順次処理していく今日このごろ.

アザミの仲間の種類は多いが,春咲くアザミといえばノアザミ. もう春じゃなくて初夏か. ともかく林床の緑のなかでひときわ目立っている (>写真). 「…あたしはいつも夜咲くアザミ」という歌があったが,もちろんほんとは昼も夜も咲きっぱなし. この花の色で夜咲いても全然見えないでしょう. 夜咲く花といえばカラスウリ(2002年のある夏の夜). あやしく広がる白いレース.


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