Excel のシートを一括テキストファイル保存するプログラム は Mac 版の Excel でも動くのだろうか? と「様子」に書いて, だれか試してくれないかとひそかに期待していた. しばらく反応がないのでほぼあきらめていたが,26日の夜に 「正常に動作した」というメールをいただいた. さっそく Windows 版対応という文字を消した. どうもありがとうございます. 謝辞を書かせていただきました.
きのうは,久しぶりに掘り出したプログラムを改造して, シミュレーション計算を始めた. 森の木々の動態と多種共存のモデル. 森に行ってなにを調べたらいいのか,どこがポイントなのかを見つけるために, 計算してみないと分からないことをいろいろためす予定.
昨夜から今朝にかけて雪が降った. 昼休みになってもグラウンドは一面の雪だった.
きのう公開した Excel のシートを一括テキストファイル保存するプログラム を試してみたというメールを 松村俊和さん からいただく. 数枚のワークシートしかないファイルで使ってみたけど,それでも 「めんどくささと間違いを回避でき、快適に作業でき」るとのこと. たしかに,手作業で 30秒程度の操作でも,ほんとに定型的なことを いちいち繰り返すのはめんどうだし,まちがえることもある. こんな単純なことはコンピュータにやらせないと.
ところで,Mac 版の Excel では動くのだろうか?
野外調査などのデータはまずは Excelで入力して,Perl や R で解析するときは テキストファイルにしている. 約90個の調査ブロックごとに別シートに記録して,3つのファイルに束ねてあるデータを, シートごとにばらしてテキストファイルにしたいのだが, こういう単純作業はコンピュータのしごとだ. さっそく VBA でプログラムを書いてみた.あまり使ったことがない言語なので時間がかかった. 手作業で保存したほうがぜったい速かった. でも,楽をするための苦労は惜しまない方針なので後悔しません. (最初から Excel など使わなけりゃいいのに,というご指摘はあるでしょうが…). 単純マウス作業よりも,プログラム書いてるほうがずっと楽しいし. ひょっとしてどなたかのお役に立てばと思い,プログラムを公開します. (> 紹介+ダウンロードページ ).Excel 97以降,Windows 版で動作します.
さて,こんなことをしている場合ではない…
週末は,ひさしぶりに親のところへ.正月に行くはずが, 老父がかぜをひいてのびのびになっていた. 例によってパソコンサポート.メールの受信箱には何百というメール, さまざまなファイルの入れ場にも無数のファイルが雑然と入っていたのを フォルダ作って小分けにしたり,友人から送られてきた写真入り CD を見られる ようにしたり.写真満載,60メガバイト超の PowerPoint ファイルが入ってた. PowerPoint なんて持ってないので,無料の PowerPoint Viewer を落としてインストール.
フォルダに整理して見通しはよくなったが,週明けにはフォルダの中身が見えないと 電話が来た. こういうやりとりでは,どういう意図で操作したかと,どういう操作をしたかの切り分けがむずかしい. 「分けたところを見ようとしても見えないんだ,どうすればいいんだ」 「見ようとしたって,何をしたの」 「だから,中が見たくて見ようとしても…」 「待った,待った,見ようとしたって,どういう操作をしたの」 「えーと,中が見たくて…」 「それは分かったから」 「ああそうか,で,名前が書いてあるところを押して…」 「押してって,どういう操作をしたの」 「そこのボタンを押して…」 「えーと,そこに矢印をもっていって,クリックしたと」 「そうだ,そうだ」 「何回押したの」 「分からん」 てなやりとりで,どうもダブルクリックするべきところを1回しかクリックしていない, ないしはダブルクリックのタイミングがまずくてダブルだと認識されていないのだろうと 推察する.「指の力を抜いてすばやく2回マウスのボタンを押してみてくれ」 と伝えたところ,うまくいったようだ.
春が近い. ウメが咲き,スギも準備万端.
午前中は,今年度の成果をプロジェクトの長に説明する会. 外部評価用の材料作りの指示を受ける.さっそくやります.
…といいつつ,つい余計なことをしてしまう. この「様子」からリンクしてる画像は,みなむき出しになっている. Opera ではウインドウの中央に絵が表示されるが, IE や FireFox では左上にくっついてしまい美しくない. 画像ファイル用にHTMLファイルを作り,「様子」からのリンクも HTML へと書き換えることにした. Perlで一括処理.JPEG ファイルの形式を調べて, プログラム中で画像サイズをチェックして img タグ中の width と height を 書いたのが工夫 ( こんなところを参考に).
で,こんな感じになりました> レナ川 とか, つくばの雪景色 とか, ツタウルシの紅葉 とか.すこしは見てくれがよくなったでしょうか. せっかくだから,先週の九州の写真も一枚ぐらい. セイタカアワダチソウの枯れた茎 のすきまににしゃがみこんで芽生えをさがす日々でした.
それはそれとして,作業再開.
けさは揺れました.いかにも直下型という感じで,いきなりきました. つくばで震度5弱.食器棚のなかで2つほど割れたものがあったほかは実害なし. 書棚に積んだ本も無事.落ちたのは,ふたを開けると六甲おろしが流れる キャンディーボックス(3年前のもらいもの)だけでした. 光が当たらないと鳴らないので,未明の寝室に六甲おろしが流れるにはいたらず.
9日間のビジネスホテル暮しはおわって,今朝から仕事も家事も平常復帰. 週の前半は私が食事当番なので,朝食と弁当作りからはじめる一日.
むかしむかし大学院のころに,研究室にあった MacArthur and Wilson の "The Theory of Island Biogeography" (1967) を読んだ. 島の生物の種数を,外からの移入と絶滅のバランスで説明している, あまりに有名な本だ. 最近,生物の分布のことをいろいろ考えているので, あらためて読んでみようと思って 復刻版 (2001年) を注文していた.出張中に届いていたのでさっそく開く. 復刻版には著者の一人 Edward Wilson の新しい前書きがついていた.これによると, もう一人の著者 Robert MacArther は 1972年に 42歳の若さでガンで亡くなったのだそうだ. 知らなかった.この本を書いたのが30代なかばであったこと, 今の自分より若くして亡くなっていること,それぞれに感慨がある. 月並みな感想だけど.
…で,このあとの Geographical Ecology: Patterns in the Distribution of Species (1972) はガンの闘病生活の最中に書き上げたもので,これが絶筆となったのだ, という情報をある人からいただきました. この本の前書きにいつも励まされるのだそうです.私も読んで励ましてもらおう.
調査最終日. きのうは曇って寒くて腹まで冷えて,体調がおかしくなった. きのうは太陽の陽をあびて気持ちよく調査したり寝転がったり. 半日ですむ仕事量なのでのんびり.新キャンパスの工事も日曜で ほとんどお休みのようで,重機の音が聞こえない. ときおりすぐそばにジョウビタキが飛んでくる.のどかだ. 一人で座りこんで芽生えと対峙していると, いろいろと雑念が湧くこともあり, 無念無想となることもあり,時にはいろいろ仮説が浮かぶこともあり. けっこう好きな時間だ.
ホテルに帰ってからデータ入力だの荷物の整理だの. あしたの朝は,段ボール一箱分の荷物を宅急便で送って身軽になって帰る.
きょう木曜日は調査実働7日間の中日. その後は雨に降られることなく,快適に調査を続ける. スギ花粉もまだあまり飛んでいない. これから数日は日中の最高気温が5〜6度と冷え込むらしい. 寒いのはつらいが,スギの雄花を眠らせておいてくれるとありがたい.
九州大学新キャンパス内の調査地から最寄りの駅まで徒歩1時間. 駅からの交通が不便なもので,タクシーは商売繁盛, 九大さまさまだそうだ. わたしは,行きはタクシーだが帰りは歩いている. 10月には工学部が新キャンパスに移転する.道路が整備されていくし, 1000戸以上の大分譲地では住宅建設が進んで,景色が変わっていく. タクシーの運転手氏によると,番地を言われてもまだ地図もないので 分からない,コンビ二の先か手前か,右か左か聞いて探してるという.
去年空き地で見かけたダチョウを今年はまだ見ていない.
きのうから調査開始.午前中は小雨がぱらついていた. 気温は5度ぐらい.濡れた地面に座り込んでいると 凍えてくる.昼飯に冷え切ったおにぎりを食べて, さらに冷気を体内に取込んだ気がする. 熱容量の小さいパンのほうがよかった. 雨は午後にはあがる予報だったのに,かえって雨脚が強まった. 先は長いし,無理して風邪でもひくと困るので,3時半に早仕舞いする.
宿に帰ってからぬれたものを乾かす.ビジネスホテルの狭い室内が いっぱいになる.
あすからの調査の準備. カラスザンショウに負けず,かつ細かい作業ができるように, ワークマンで買った作業用革手袋の指先を切る. これで万全. 「調査の準備」には,調査期間中に〆切を迎える仕事を処理しておくことも含まれる. 一部は帰ってからに先送り.すみません.
あさってから8泊の予定で福岡へ.九州大学新キャンパス予定地で, 去年マークした木の芽生えをチェックしてくる. 1月に2日だけ調査したときの進み具合から考えて,実働7日あれば終わる予定. 雨が降っても作業ができるように,前回の調査結果を印刷した調査用紙は アクアフリーペーパー で用意する.でもなるべくなら降らないでほしい.雪は マークが見えなくなるのでかんべん.
電子ジャーナルについて勉強してきたことの受け売りをもう少し.
去年の末から動いている Google Scholar はすぐれもので, Advanced Scholar Search では著者名,雑誌名,掲載年などできめこまかい検索もできる. 情報源は,一部学会が公開している情報と,あとは機関レポジトリの公開情報だという. 機関レポジトリは,研究機関が所属研究者の論文をあつめ, 索引をつけたり検索できるようにしたもの. だれでもアクセス可能なレポジトリに論文のファイルを置くことを認める出版社が増えている. なるべく多くの人に自分の論文を見てもらいたい研究者は, 所属機関のレポジトリに(もしあるなら)どんどん登録するとよい.
先日,自分はすみっこに小さく入っているだけの大型プロジェクトの 申請書の作文を手伝いましたが,あれはおそろしいものです. 自分がやるわけではないテーマなど,とくにいけません. 作文としての見栄えのよさを求めるうちに,ちょっと油断すると
知らぬこと知ってることをないまぜになんでも知ってる顔の作文
できることできないことをないまぜになんでもできる顔の作文
美辞麗句大言壮語ならべ終え はいできました(本気か,おまえ)
てなことになります.
きのうは東京に行って,科学技術振興機構の電子ジャーナル部門主催の, 「電子ジャーナルの最新動向に関する報告会」を聴いてきた. ジャーナルの電子化がどうこうという話ではなく,電子化された論文の オープンアクセス(だれでもただで全文を見られる)が中心の話題. ここ1,2年でおおきな動きがあったようだ.
商業出版社の買収などで寡占化がすすみ,雑誌の購読料がどんどん高くなって, 図書館が払いきれなくなってるという状況が背景にある. これに反発して,著者からの投稿料だけでまかうオープンアクセスジャーナル (だれでも勝手に読んでちょうだい雑誌)もいくつか創刊されてる. 既存の雑誌でも,部分的に,あるいはすべてオープンアクセス化するところが でていきている. アメリカの NIH(国立健康研究所)が去年の5月に出した提案 ( Proposed NIH policy)はおおきな反響があった. NIH は研究予算の9割を外へ出している,研究費分配機関でもある. このNIH が,NIHの予算を使った研究の論文は,出てから6ケ月以内に オープンアクセスできるサイト( PubMed Central )で公開することを求める, というのがこの提案. となると,NIHの予算をもらってる研究者は,論文の無料公開を許さない雑誌には 投稿しなくなる.でも,雑誌を売って商売してる出版社としては, 無料でだれでも読めるようにしたら商売あがったり,まさに存亡の危機という状況.
いっぽう,自前の学会誌をつくっている学会にとってもこれはおおごと. 学会費を払っている会員に学会誌を配布している場合,会員でなくても 論文が自由に読めるとなったら,会員がいなくなっちゃうというのは当然の心配. 急いでまじめに考えないといけない問題のようだ.