3週間ほど前に花盛りだった ウリカエデ は,いま赤い実が成長中 (写真). いかにもカエデの仲間らしい翼がある.
自然と人間との共生について論じたある原稿を読んで, 「人間の地球環境への持続可能な寄生」 という表現を思い出した (松田さんのページの 2007-05-30の項の最後). 人間と自然の関係で目指すべきもののイメージである. 納得できる表現だ. 寄主が死んでしまったら寄生者も生きていけない. 寄生者・人間から見た寄主としての元気さを保っている生態系を 「健全な生態系」と定義することもできるだろう. 人間のつごうに基づく概念だということが明確になる.
明日は出張の振替えで休み.書類上だけでなく,ほんとに休みます.
庭で,スナップエンドウの花が咲いている(写真). 横のハエとの取り合わせがおかしい.
春になり,わが家の食卓ではフード・マイレージが小さくなってきた. きのうの朝は,庭て摘んだハーブ(コリアンダー,チャイブ,三葉)を刻んで 白粥にのせ,炒めたベーコンも少々.あとはラー油,ごま油,醤油をかけていただく. 夕食には,アスパラガスをゆでてマヨネーズでいただいたり, 採れ始めたスナップエンドウを天ぷらにしたり,ニラのチヂミを焼いたり. あと,蕗の煮物も.いずれも産地から台所までの移動距離は10メートル余り.
2年前に一粒の種子から育ったキケマンが庭中にはびこりつつある (写真). アリの巣があったところに密集していたので,もしやと思って調べたら, やはりケマンの仲間の種子には,アリが喜ぶエライオソームという付属品が付いているとのこと. アリは種子を巣に持ち帰り,糖やタンパクがたっぷりのエライオソームを 幼虫が食べたあと,用済みの種子はゴミ捨て場に運ぶ. そこで発芽した種子はアリが捨てたゴミの栄養も吸収ができる.
家のシャガが咲きはじめた(写真). 去年,日当たりが強すぎるところから,裏庭の日蔭に移植してからてきめんに元気になった. 移植して元気になる植物を見ると,種類によって環境の得意,不得意はほんとうにあるんだなあと 今さらながら実感する.
葉が開きはじめたダンコウバイ (写真). 葉の裏側は毛が密生している.春の芽吹きのころは,急に冷え込んで霜が降りる夜も あるかもしれない. 外側に面したところが毛で守られているのは理にかなっている.
今日も絵日記でした.
職場の構内でウワミズザクラが満開 (写真). 日本に数種ある,花序が長い穂になる桜のひとつ.ほかにはイヌザクラ,シウリザクラ, バクチノキなどがそうだ. だれもウワミズザクラの下で花見の宴をしないが, ウワミズザクラも宴など望んではいない. もちろんソメイヨシノも望んでいないが.
外向けの説明用にいろいろと仕込みをしたり考えたり. 科学の顔をして語るべきではないことを,科学のふりをしながら 感覚的表現で主張するのは無理がある. 「健全な生態系」とか「生態系の劣化」という表現は生態学の言葉ではないな. 不健全だ・劣っていると判断するのは人間の価値観で,それは生態学の範疇ではない. その区別をきちんとしないと,科学の議論をするべき場が価値観のぶつけあいになってしまう.
今年の研究計画の話をしているとき,真夏に高さ数メートルのヨシ原のなかで 一日調査をするのはとてもつらいという話題が出た. だが,それでもネクタイを締めて外部評価委員会に評価されに行くよりはいいと思ったので, そう言ってみた.反論しかけた人も,たしかに自分も調査に行くのと評価委員会に 行くのと交替してくれと言われたら断るな,と考え直していた. 月,火はそんな委員会に行ってきたが,今回は聞いているだけ.来月が自分のところの評価.
13日の筑波山の続き. いかにも咲いてますという感じのカタクリの写真は載せる気にならなかったが, 花のまんなかの模様はおもしろいからやっぱり載せよう (写真). 花に来た虫に蜜のありかを教える蜜標らしい.
先日 タチツボスミレの写真 を撮ったところのすぐそばに,濃い紫の花のスミレが咲いていた. ニオイタチツボスミレのようだ (写真). 蠱惑的な香りがする.
昨日はカタクリの花を愛でたいという人たちと筑波山へ. ちょうど盛りだった(が,あえてカタクリの写真は載せない). ほかにもいろいろ春の花が咲いていた. マムシグサ, キクザキイチゲ など.
明日,明後日は東京で会議.
今週はよく雨が降った.ようやく今朝は上がったが,まだ植物は濡れている. それはそれで趣がある.職場の駐車場のわきに生えているウリカエデは濡れながら花が満開だ (写真). 太陽の光を浴びて乾いたところで,もうすこし寄った写真を撮って見る (写真). 花のアップも (写真).
苦闘中の書類作りは今日も続く. 訴えたいことがあって,それをどう表現するか悩むのなら楽しい. 書きたくもないことをずらずらと書かねばならないのは,ちっとも楽しくない. ついシダの分布データの入力などに逃避したりして,なかなか進まない.
春は写真の素材にことかかない.あれもこれも動きだし,全部に目が回り切らないうちに 春一色になる. 朝は出勤前に庭でカツラの新葉を撮る (写真). 秋は黄色くなるカツラだが,春の新葉は赤みが強い. 職場についたら,明るい林の下でタチツボスミレが たくさん咲いてたのでカメラを取り出す(写真). まだ人が少ない時間なので,心置きなく地面に寝転がって撮影.
…こんな絵日記だけ見ていると,とてものんびりと暮らしているように見えるな.
コブシやハクモクレン,ソメイヨシノが咲いているが,これ見よがしな気がして いまひとつそそられない.かわりに,ヒサカキの数ミリの花に レンズを向ける(写真). 満開だ.ヒサカキは高木にはならずに林の下のほうに生えているので, 木漏れ日に部分的に照らされているところを撮るとそれらしいんじゃないかなという狙い. ヒサカキと言えば 鈴木新さんの ヒサカキとわたしを思い出す.
新年度.管理職の5年の任期も2年が終わり,あと3年だ. 早く終わって欲しいが,人生の残り時間が早く減るのも困る. ともあれこれから2ケ月ほどは一年間でいちばん管理職業務が集中する期間だ. 人を評価したり,外部評価委員会で評価されたり. 評価されながら文句を言ってるのはむしろ気楽で, こんな私が人を評価して優劣を付けるなんてばちが当たって地獄に落ちる所業だと思いつつ…
職場のイロハモミジの芽吹き(写真). 小さいつぼみがいくつも顔を出している.じきに満開になるだろう. イロハモミジは好きな花のひとつだ.