| Top page |    [ 前月← →翌月 ]    | 様子の目次 |

2003年1月

2003-01-29

教科書のまとめをしてる人は,自分の担当分を未執筆のまま3週間あまりの 外遊に出ておられました.パリとパタゴニアのあいだで1週間ほど 空き時間があるのでそのあいだに書く予定とおっしゃって旅立ったので, 1週間で書いてきたらすごいなあ,尊敬しようと思う. 今週帰国したので首尾やいかにと伺ったところ,まだ書いてないとのこと. かわりにマゼランペンギンの写真が送られてきました. おかげで私も肩の力を抜いて執筆できそうです.

2003-01-28

植物生態学の教科書の執筆は,ほかの章の執筆者とも情報交換しつつ進めています. その一人,東北大の彦坂さんが, 光合成の生理生態学講座の目次ページ の終わりのほうで,教科書を含めて研究関連の文章を書くにあたって思うことを 綴っています(補:次回の更新時には消え去る書き捨てなので,今も書いてあるか どうか分かりません).

あちこちのサイトの内容をそっくりロボットでとってきて,そのなかにいかがわしい ページへのリンクをちょこちょこ埋めこんだ上で公開してるというなんとも 不愉快なサイトに,私のページもパクられてることを発見.気持ち悪い. このページについて に,このページの掲載物は 「非商用目的ならば自由に引用・転載・利用していただいてけっこうです」 と書いたけど, 「サイト全体のまるごとミラーはしないでください」と書き加えました. それでどうなるもんでもないだろうけど,直接かかわりたくないし.

スギ花粉の季節を迎え,これからしばらくは自転車通勤はお休みして車で通勤. 昼休みの運動もなし.

2003-01-27

以前に「最近の様子」に書いた小ネタを集めて 「雑多なあれこれ」 セクションを作ってみました. とりとめもないネタが3つだけ.ときどきなにか追加されるかもしれません.

2003-01-23

「情報量統計学」の勉強がおもしろい.おもしろいもんで, 締め切りを過ぎてるはずの原稿書きがつい後回しになる.いちおう勉強なもんで, 「後ろめたさも中くらいなりお勉強」といった感じで,まあいいかと思ってしまう. マンガを読むのが楽しくてサボってるんだったらあきらかに後ろめたくて早々に 原稿書きに戻れるだろうに.

原稿書きのヒントなどを漁ってるときにみつけた東大の 園池公毅さんのページ (2007-08-17 追記:園池さんのページは 光合成の森に移転 ). 1回の講義ごとに学生は短いレポートをメールで提出して, 園池さんがこれにコメントをつけたものをウェブに載せています (たとえば 代謝生物学:第1回,地球と生命の歴史). 学生による授業評価 も公開されてます.こういうのっていいと思うけど, 自分に自信がないとなかなかできないだろうな.

2003-01-22

以前,ある若手研究者が「自分が今この技術を持ってないからという理由で, その方法を放棄するようなことはしたくない」と語っていました. かっこいいすねえ.そうありたい.特に年齢を言い訳にして 「もう新しいことはいいや」と言うようにはなりたくない. これはいいことを聞いたと思って,学会から帰ってから書き留めておきました. 何年かしてからメモを読み返してあらためて感銘をうけて,ご本人にも お伝えしたところ,自分の青さに照れておられました. ともあれ,いま数式をひとつひとつ追いながら 「情報量統計学」 を読んでますが,上の言葉が支えです. あと,別の若手研究者から 去年の学会で貰った喝 も.

だいぶ前にインストールしたっきりだったフリーの統計解析パッケージ R (>R 入門など)を少しいじりはじめました. 統計の勉強だの R いじりだののため,教科書分担執筆は 23,000字書いたところで 停滞してます.きょうは教科書に(なるべく)集中する予定.

2003-01-20

しばらく前から停滞しっぱなしの Magnoloid Project ですが,停滞してる理由のひとつが,ホオノキの測定データをうまく再現する 「モデル選択」のために必要な知識が足りないことです. 枝の長さのバラツキとか,子枝の数のバラツキといったデータを再現するような 統計的なモデルが複数あるとき,どれを一番もっともらしいものとして採用するか という問題です (参考> モデル選択については, たとえば栗田多喜夫さん(産総研)のページの モデル選択 のごく簡単な解説など).

どうにかしなきゃと思って,AIC (Akaike Information Criterion, 赤池情報量基準)の 勉強をすることにしました.週末に,Amazon で注文してた本が届きました. 共立出版から出てる 「情報量統計学」 です.数式が並んだ本をちゃんと読めるだろうか.私の胸は期待と不安で一杯です.

2003-01-16

著作権保護が行きすぎると創造的な活動がやりにくくなって,世の中にとってマイナスなんじゃないかという議論があります. 最近,だれでも自由に使える著作物を集める具体的な動きが話題になってます (参考: 非営利目的のフリーコンテンツ共有サイトが誕生 や, クリエイティブ・コモンズのライセンス解説 など). 私は,自分の努力の成果が人の役に立つものならば,どんどん活用して欲しいと 思ってます.というわけで,このサイトに載せてるものは,別に特段の指定が あるものを除いて「非商用目的なら無断で引用・転載・利用してください, ただし作者名は明示してね」という方針です. 「 このページについて 」 にも明記しました.

植物生態学の教科書の分担執筆は,19,000字たらず書けました. あと1万字ぐらい書いてから6000字ぐらい削れば,第一稿ができるでしょう.

2003-01-14

きょうの午前中は, 国立環境研究所ニュース の編集委員会. 2年前からこの委員会の委員長をやってますが,けっこう楽しんでます.

このニュースは,もともとは環境研内部,環境省,都道府県の環境行政関係者 といった,いわば内輪むけのニュースでした.それを,環境研の活動を一般の 皆さんへお伝えするのを第一義とすることに改めたのが2年前. 一般の人に届きやすいのは紙よりもウェブですから, 印刷物をついでにウェブに載せるんじゃなくて,紙とウェブの両方が正式な 提供形態だという位置づけにしました. 過去の記事にさかのぼって テーマ別に整理 するなど,いろいろ工夫してます. 一度のぞいてみてくださいませ.以上宣伝でした.

2003-01-13

Google で「Perl 基礎」をキーワードにして検索すると,このサイトの 「Perl 基礎の基礎」 のページが何番目かにでてきます.でも「Perl 入門」 をキーワードにするとひっかからない. ためしにページのタイトル(ブラウザのタイトルバーに表示される)を「 Perl入門」 にして数日.「Perl 入門」の検索で,20何番めぐらいにでてきました. 単純なもんだな.Perl ページのタイトルを「ライ麦パンの焼き方」にしたら 「ライ麦パン」で検索して出てくるようになるかな?

その Perl ページの読者の方からメールをいただく. 日常業務のなかで人の役にたってる実感が持てることはめったにないから, ウェブの文章に反応があると嬉しい.

2003-01-10

スギがだらだらと花粉を飛ばす様子は,たとえば 慈恵医大耳鼻科の 花粉症のページ の, 2002年の累積花粉飛散数のグラフ を見るとよく分かります.

花粉を作ってまきちらすために必要なコスト(有機物など)が,種子を作るコストに 比べて安上がりだとする. また,雌花が咲いている期間にある程度の個体差があるとする. 一本の木の身になって考えると,どうせ安くできる花粉はたくさんつくっていろんな 時期にまきちらしておくのがの「正しい振る舞い」である. 自分の遺伝子を半分持った種子を他の木の負担で作ってもらうことができるし, 一時期に集中して花粉を作るよりも,自分が作った花粉同士の雌花をめぐる競争も 緩和できるし.

…という事情を勘案しても,やっぱり迷惑なものは迷惑です.

2003-01-08

このところ,つくばの朝はとても冷えます. 通勤路の途中の洞峰公園では,池が全面結氷 (写真).

寒さがゆるみはじめると,スギの花粉の季節です.今年もけっこう飛ぶみたい (> ズギ花粉の飛散予想). それにしても,なんで2ケ月以上もだらだらと飛ばし続けるのか. ちっとは桜を見習えと言いたい.

植物生態学の教科書の分担執筆は遅々として進行中. 田崎晴明さんの 1月 3日の雑感 で,教科書を書くときの心がまえに触れられていました. 「自分が学生のときにこんな本で勉強したかった」と思えるような本をめざすべし. そういう気持ちはあるんですが,そういうものが書けるかどうか.

2003-01-06

本日より出勤.

学会準備の仕事とそれ以外の仕事の切り分けを考える. 午前中は学会関係の仕事はしないことにしようかな. 午前中に学会仕事ってことにすると,午後に入ってきた仕事は 翌日に回すことになって,気が引けてついやってしまいそうだから.

4日の「素数に恵まれた 10年」の話の補足です. 素数が4つ入った 10年は,下1桁が 0 から 9 (ないしは 1 から 0)の10年間でしか あり得ません.3 から始まる 10年とか,7 からはじまる 10年が4つの素数を含むことは ありません.2 以外の偶数は素数でないこと, 下1桁が 5 の年はかならず 5 の倍数であること, 3つの連続する奇数 p, p + 2, p + 4 のうちどれかは必ず 3 の倍数であること から導けます. 10年間に5つ素数が含まれることがないのも明らかですね.

「素数に恵まれた10年」の表 を作るために書いた Perl のプログラム も載せておきます.

2003-01-04

21世紀最初の素数年,2003年になりました.今世紀の素数年は 2003, 2011, 2017, 2027, 2029, 2039, 2053, 2063, 2069, 2081, 2083, 2087, 2089, 2099 の14年.このうち 2027年と 2029年は双子素数(差が2の素数ペア)です. ところで,(2 の n 乗) - 1 という形の素数はメルセンヌ素数と呼ばれます. 2047年は (2 の 11乗) - 1 ですが,残念ながら素数ではありません. ここまで生きられたらめでたし. 二組の双子素数あわせて4つの素数が目白押しの 2080年代までは無理だな. 1年から 10万年までに 38 回,100万年までに166回しかない機会なのに残念 (「素数に恵まれた10年」の表).

今年のキーワードは「ねばる」にしました. 投げ出す前にひと粘りしたら,もうすこし何かできるかも知れないので.


| Top page |    [ 前月← →翌月 ]    | 様子の目次 |