再来週は集中講義.題して「植物の形と光の獲得 − 3次元陣取り競争と「分枝生態学」」. 分枝生態学というのは,以前にある人が予算申請書を書いたとき,研究分担者一覧の 私のところに専門分野として勝手に書いたもので,もちろんそんな分野はありません. でも,集中講義をやりにきなさいと言った人が,おもしろいからぜひ講義のタイトルにも 入れるようにというので,しかたなく入れてみる. 講義の内容は,現在進行中の植物生態学の教科書に書いたものを土台にする予定. 筋書きはできてるから,あとは膨らませるネタをいろいろ用意すればよい.
講義のあとで,セミナーでもしゃべらせていただくことになっている. こちらは新しい話もしたい.ホオノキの樹形データの解析とモデル化, そしてそのモデルを使って形の機能的意味を考えるという話. いままだデータ解析とモデル化を進めてるところ.間に合うだろうか.
西のほうから,フィギュア入りポッキーを送ってくださったかたあり (フィギュアの写真). 26日,第6戦の夜に書かれたお手紙がついている. 3月に発売されたけれど,つくばの生態学会においでになってるあいだ に売り切れてしまった,最近再発売されたので購入されたとのこと. 「お手元に届くころにはシリーズも決着がついているはずです」. コトの前に書かれたものを結果が出てから読むのは,心に痛いものがある.
R でのモデルあてはめや作図は進行中.プログラムを書いて,いくつもの データファイルを一気に処理できるようになってくると,おもしろくなってくる. 生データから R に読み込ませるデータファイルの作製は Ruby で書いたプログラムに 担当させる.多量のデータを扱うときは,Ruby や Perl などのスクリプト言語と R とを うまく組み合わせて使うのが吉のようだ. 久保さんが生態学会の自由集会 「デ−タ解析の落とし穴,穴から脱出する計算機ワザ」 の発表資料(> PDF ファイル の14ページ)に書かれている通り.
ときどき,いろんなことを全部放り出したくなるが,放ったあとで拾い集めるのが 大変なので,抱えきれないもの,抱えたくないものは最初から抱えないのが一番. 先週末は荷物をひとつ受けとり辞退に成功した.
空が青い.通勤途中のモミジバフウの紅葉がよく映える (写真).
今年の職務目標で, 「新しい技術の習得を億劫がらない」ことを今年度の方針のひとつに掲げた (ことを今思い出した).億劫がらずに R に取り組む. 北大の久保さん にいろいろ教えていただきつつ,データ解析を続ける. オンラインで見られる情報だけでは不足だということがわかり,Amazon で 'Modern Applied Statistics with S'(通称 MASS 本と言うとか)を注文する (R は S の機能の多くを引き継いでいるので,S の本が参考書になる). すると,これもあわせていかがでしょうと, 'Introductory Statistics with R' もすすめられる. これも三中さんの 「租界Rの門前にて」 で参考書に挙げられてる.こちらも注文. 人ではなくてサーバ上で動いてるプログラムが勧めてくるわけだが, このプログラムの働きでみごとに売り上げを上積み.
きのうは職場のネットワークが死んでいた.ウイルスのせいらしいが詳細は不明.
いろいろやることが溜まってるのに,プログラミングの楽しいネタを思い出してしまった. Windwos 上で,データから散布図などを自動生成してくれるコマンドラインツール. Windows に移植された gnuplot は GUI でしか使えないみたいなので,超低機能ツールを 自作してみようかと思ったのだった (> 5月19日の様子 ). Delphi を使ってできそうだ. しかしあまりにおもしろそうだ.いくらでも機能を作り込めるからきりがないし. 危険な罠だ.どうしよう…… と思いながら,つい作業用のディレクトリを 作ってしまった.名づけて wooplot.
とうとう R でのデータ解析を開始. 試行錯誤しながら,できるはずのことをできるようにする方途を探っています. あちこちの本だのウェブだのを見て知識を集積したもんで, あの例が出てたのはどこだっけ……と捜し回ることもしばしば.
生態学会釧路大会の準備は,実行委員会メンバーのあいだの物理的距離があって大変そう (>北大・久保さんの 業務日誌, 10月18日分). つくば大会のときは,移動時間20分以内で全員集合できたし,大会会場にも行けた. たいていの連絡はネットで済ますにしろ,会場を下見しながら検討することも いろいろあるので,このコンパクトさはありがたかった.
日曜日のつくば市野球大会の準決勝で,最終回のウラ,4点差,1アウトで走者無しから 5点取って逆転サヨナラ勝ち.最後まであきらめるなと言うけれど, ほとんど勝負はあきらめて,野球を楽しんでたらこうなっちゃった.
HTML版 大統計大曼荼羅に感想を いただきました. 三中さんの原図 よりも整然としてて見やすかったが, 「 三中さん と竹中さんの重唱に聞こえて少し妙な気分」になるとのこと. 自分でも写経しながら妙な気分でしたが,読み手もそうでしたか. あと,見やすいことがよいことかどうかは定かならず. 読み解く楽しみが減じてしまうわけで.
R の様子がだんだんに見えてきて楽しい. たとえて言えば,難解なクロスワードパズルでも徐々にマス目が埋まるとともに それが手掛かりとなって加速度的に解けてゆくように,とでも申しましょうか. そろそろ自分のデータの解析にも使ってみよう.まずは休眠中の Magnoloid projectの復活.
森林総合研究所のサイト で, 森林動態データベース が公開された(> 公開のアナウンス).
R の勉強をしつつ,統計関係のページをあちこち渉猟していて, 岡山大学の長谷川芳典さんによる 「基礎的統計解析の誤用をなくすための 30 のチェック項目」 を見つけた. 以前に紹介した「統計学的な有意性検定の意味のなさ」(D.H. Johnson, 1999) (>抄録 ) と併せて心すべきこといろいろ.
予算申請書類作製のために人から年齢を聞かれて,正しい年齢よりひとつ多く答えてしまい, あとで気がついて訂正した. 年を重ねるにつれ,今いくつなのかよく分からなくなってきている.1才の多い少ないなんて ほんの 数パーセントの誤差なんで,どうでもよいかもしれない.
先週ある人からもらったメールの DATE が 1970年1月1日になっていた. 出張から帰ってコンピュータ(Mac)を立ち上げてみたら 1970 年になってたという. こりゃずいぶん戻ったものだと思ったが,それ以上深く考えなかった. ついさっき,ふと気がついた. 1970年1月1日といえば,UNIX の内部時間の起点ではないか (参考> もう1つの「2000年問題」もクリア――10億秒目を刻むUNIX ). なるほど,Mac OS X は UNIX だというのは本当だ.
print time(); という Perl プログラムを実行すると,この起点からの経過秒数が 表示される.今現在,1066097497 秒たったところ.
大統計大曼荼羅の写経 ばかりしてないで実践に進むべく,先週後半から R の勉強をはじめた. (R については 多摩大学の山本義郎さんの R 入門 など). R をインストールすると読める "An Introduction to R" を教材に, 少しずつ自分で試しながら感じを掴んでいく.
プログラミング言語の習得とは,部品(基本的な文法とデータ構造,用意されてる関数など) の概略が頭に入り,その組み合わせ方の工夫ができるようになることで, 習熟するとは,頭に入ってる部品の量が増え,組み合わせ方の定石の手持ちが増え, さらに創造的に組み合わせるコツのようなものを掴むことだと思う.
R でこんなことができる,あんなことができるというのが徐々に分かっていくが, 主な部品がひととおり頭に入り,その組み合わせ方を自分で工夫できる段階になるまで いましばらくかかりそう.
以前に写経 した「大統計大曼荼羅」を,作者の三中さんの許可を いただいて公開しました(>HTML版 曼荼羅).
だいぶ前に,テレビで「オーストラリアで古いマツの仲間の新種が 発見された」というニュースを見た.なんかすごそうと思ったけど, このニュースだけじゃなにがなんだか分からずそれっきりになっていた.
最近,ある事典の監修仕事をしていて,たまたまそのマツの情報に行き当たった. マツ科ではなくてナンヨウスギ科 (Araucariaceae)の「生きた化石」で, 白亜紀からの生き残りらしい.Wollemi 国立公園で見つかったので Wollemi Pine と呼ばれている.発見されたのは 1994 年のこと. 発見地であり唯一の生育地でもある地域の観光案内サイト Hawkesbury Valley Web に Wollemi Pine のページ があって解説が書いてある.ほかに, wollemipine.com なんてサイトもあった. 写真のページを見ると,たしかにナンヨウスギの雰囲気もある.
何千万年のスケールの話っていいですね. 一週間先や一ヶ月先の締め切りなんてどうでもよくなる.
週末に老父より電話. 「IPアドレスが取得できません」と表示されてネットに繋がらないことが最近よくある, ネットに繋がってないときに送られてきたメールはなくならないのかと聞かれる. メールはサーバに貯め置かれるもので,ユーザ(が使ってるメールソフト)は 自分あてのメールがあるかをサーバに適宜たずねているということが なかなか理解されない.
論文の原稿を人に見てもらったところ,パラメータの設定をもっと網羅的にしたほうが 説得力があるのではと言われた. なるほどと思って計算をはじめたのが先月の20日. それ以来,私のコンピュータはず〜〜〜っと計算を続けている. もう2週間ぐらいで終わる予定.
週末に,自宅の部屋の片づけを試みた.難物は本. 片づけながらついつい読んでしまうのも問題だが,そもそも キャパシティ以上の本があるのが一番の問題. 書庫付きの家を建てて引っ越すしか抜本的解決策はなさそうだ. というわけで,片づけの試みは「試み」のまま頓挫してしまった.
先週,九州大学の 矢原さん に誘われて見に行った九大新キャンパス予定地で,植物の種多様性の ダイナミクスについての研究をはじめるかどうか考慮中. まずはやるつもりになって研究計画を書いてみる (←矢原さんの 日記ページ は,2月と4月の2回だけ盛り上がって以降,沈黙が続いている模様).
人間ドックは特段の異常なし. 心拍数が少なめ(毎分50拍)だけど,まあ正常ということにしておきましょうと言われる. 前年 6,200 ml を記録した肺活量は,息の吸い込みに失敗して 5,600 ml にとどまる. 不本意だった.
トップページ(ここ)の最近の様子を「過去の様子」 に移すときにヘマをやったようで,9月29日分が消えてしまった. 植物学会に行ったけど,生態関係の出し物はとてもこじんまりしてたというようなことが 書いてあったと思う.
明日は朝から人間ドック.
九州大学の新キャンパス予定地へ行ってきました(> 九大のページに掲載されている 「俯瞰図」と 「航空写真」……俯瞰図も航空写真なんだが?). 今,丘のあちこちを切り崩したり埋め立てたりの造成工事が進行中 (写真). 現在の植生をそのまま残す場所,植生を管理する場所, 造成後に植生を復元する場所にもかなり面積をあてています. 造成後の更地に,潰す林の地表面土壌を切り取って置いたところ (写真). では, 土壌中の種子が発芽してきています (1年め). 先駆木本樹種などがたくさんみられます. 3年もたつと,木本,草本入り乱れた茂みとなります (3年め).