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2004年 2月

2004-02-25

来週はまた福岡へ.すでにマークした芽生えが 2,000個体あまり,今度の調査で もう1,000個体たらずマークして一段落,あとは皆さんの今後の 成長を見守る.

あいかわらず急ぎ仕事にかまけて自分の論文書きが後回しになり続けている. 非常によろしくないです.

2004-02-23

Trends in Ecology and Evolution の最新号 19(2) 101-108 に, Model selection in ecology and evolution という記事が載っていた.モデル選択というやつですね. まず,世の中はこう動いてるんだろうという仮説を観察にもとづいて評価するプロセスが科学だ と定義する.で,データがどの仮説を支持するかを調べるには, 帰無仮説を立てて検定するというやりかたが主流だったけど, 近ごろはいくつかの仮説のなかでデータから見て一番もっともらしいのはどれかを選ぶ モデル選択の手法の支持が増えてますという話. 生態学,進化生物学のなかでよく使われる例として,とくに野生動物の生態と, 分子情報にもとづく系統樹推定をあげている.

世の中はどう動いてるかについての仮説を選ぶのだから,選択肢となるモデル群は 生物学的に意味のあるものをたてるべし,ともある. これはメカニズムの理解を目指すのか,それとは無関係に便利な経験式が欲しいのかにも よるだろう.

モデル選択の使用人口はじわじわと増えていくんだろうけど,しっかり染み込んだ 「有意差を求めてとにかく検定」という習慣が抜けるにはかなり時間がかかりそう. 学部や大学院の講義でモデル選択を教わった人が多数派になるとともに 変わるのか.私はまだじゅうぶん変わってません.

参考> 統計との付き合い方入門関連ページへのリンク集

2004-02-18

昨日書いた (> 同じ資源を使う多種が共存するメカニズムの調べ方 )を読み返して,少しずつ手を入れる. 数えたら六千字あまりも書いてあった.たいしたもんだ. 子供のころは 400字詰めの原稿用紙1枚や2枚の作文に苦労したものだったのに. ついでに,長いこと放ってあった 研究テーマのページ研究フィールドのページ も少し改訂.さらについでに リンク集の体裁をいじったり, 本サイトのおすすめに加筆したり.

2004-02-17

森の木々の共存のしくみをどう研究するかについて整理した文章を書いてみた (> 同じ資源を使う多種が共存するメカニズムの調べ方 ). まだ十分に整理できてないけど,まずは一度書いてみないと.

生態学会のページに 常任委員会の議事録が載るようになった (> 2003年12月16日の議事録). 遅きに失したというぐらい. ところで生態学会のページの新着情報のところ,項目のあたまにいちいち NEW とあるけど, 載せたときは NEW に決ってるし,昔の NEW (2年前のも)がそのまんま残ってるしで, 情報になってない気がする.雑誌の表紙に最新号!と書いてあるようなもの.

2004-02-16

今回の福岡は天候に恵まれて作業がはかどった. とてもよい天気なので,朝は放射冷却で霜がおりる (>霜の縁どりがついた葉). 黙々と芽生えにマークを付け,種類を記録し,高さをはかる.だいたい1500個体ぐらい. 作業をしながら頭はいろんなことを考える.

一日作業をして,一時間歩いて電車に乗って博多に戻り,晩飯を食べてホテルに帰るのは 7時半ごろ.それからデータ整理だのマーキング用の フンドシの準備など してるうちに10時ごろになってしまう.持ってった宿題はほとんどできなかった. これからせっせとやるけんね.

調査をしながら考えたことのひとつは,この調査の意味をどう説明するかということ. 森の木々の共存のメカニズム,どうしていろんな種類の木がいっしょに生えていられるのか, もっとも強い一種だけになってしまわないのはなぜか,というのが明らかにしたいことだ. いろんな種類の木がいっしょに生えてるのはだれでも見れば分かる. それぞれの種類の木の数の増減は,生まれたり死んだりのプロセスの積み重ねだが, 一本一本の木が死んだり新しい芽生えが出てきたりするようすも見れば分かる. じゃあ何を探せばいいのか.何を調べれば,共存のしくみを調べたことになるのか. どんなアプローチが考えられて,そのなかで自分が今やってることはどういう意味があるのか. これをすっきりとかつおもしろそうに説明できず,とても気持ちが悪い. すっきり説明できないのは頭が整理できてないからで, とりちらかった頭を整理するには文章にしてみるのが有効だ. さっそく書いてみようと思って,今書いてます.

2004-02-09

明日から来週の日曜まで福岡へ.ずっと天候には恵まれてない福岡出張(> 1月は雪だったし). でも,今度はそこそこの天気で,毎日調査できそう. あと,宿題をいろいろ抱えていかないと.

2004-02-06

「聞き手に届く学会発表のために」をまたちょっと改訂. 質問への答え方 について書き足しました.

どういうわけか,仕事は日々着々と増えていく……

2004-02-05

生態学関連のリンク集に, 東京大学の角谷拓さんのページを 加えました.研究紹介などのほか, 大学院生の立場で研究室の活性を高めるにはなにができるかを考えた 学生でもできる研究環境づくりという文章がのってます.

2004-02-04

ほかの研究室で研究してる学生の修士論文発表会の練習を聞きながら思ったことを とりいれて, 聞き手に届く学会発表のために をちょっと改訂しました. ほかの分野の人であれ,教授はなんでも知っているという前提でしゃべってたので, いやいやそうではないですよ,と 聞き手の前提知識を過度に期待しない という一節を加えました. あと, 心がけ1:分かりやすく のところに,話のストーリー展開を見えやすくすることについてもちょっと書きました.

どうでもいいことが気になって,計算してしまった. '連続成功'の価値. 何かをミスらずに20回連続できる人は,10回連続できる人よりどれだけ 上手かというようなことです.ほんとにどうでもいいな.

2004-02-02

来週あたり,また福岡へ調査に行く予定. 1月はもろに寒波と雪にぶつかってしまったので, 今回は日程の確定は直前まで待つことにする. 調査フィールドが日帰りできるところなら毎日の天気を見ながら行けるけど, 泊まりがけで行く距離だとそうもいかない.まして海外調査だと, ずっと前から予定が決ってしまう.フィールドは近いに越したことはない.

今年8月に釧路である生態学会の大会の参加受け付けが昨年末から始まっている (>JES51 公式ウェブサイト). 注意事項に 「締め切りまぎわに申し込むのではなく, 早めに申し込んでください」 と書かれている. 前回の「駆け込み」の様子 はなかなかのものだったのを思い出す. 直前にサーバがダウンしたりネットがつながらなくなったりするとイヤだから, 心配性の私ははやめに申込むつもり.


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